ホーム | 日系社会ニュース | 《ブラジル》50周年記念ミサを大聖堂で=日伯司牧協会、カリタス修道女会=赤嶺大司教、祝福与える

《ブラジル》50周年記念ミサを大聖堂で=日伯司牧協会、カリタス修道女会=赤嶺大司教、祝福与える

セー大聖堂でミサを執り行う赤嶺大司教

セー大聖堂でミサを執り行う赤嶺大司教

 日伯司牧協会(PANIB、サカモト・タケミ・エミリオ会長)とイエスのカリタス修道女会(以下カリタス、ナカシマ・シズミ・アルジーラ・ブラジル管区長)がそれぞれ設立、派遣50周年を迎え、『50周年記念ミサ』をサンパウロ市のセー大聖堂で執り行った。ミサ終了後には、サンゴンサーロ教会の会館サロンに両会会員や聖母婦人会会員など約250人が集まり、50周年を祝いケーキカットなどが行われた。

 午前9時から始まったミサは開始直後から半分以上の席が埋まり、コーラス隊による『入祭のうた』が大聖堂内に響く中、日本人形の聖母マリア像を掲げ、着物に身を包んだイザベラ・トビアスさんを先頭に聖母婦人会、PANIBのバナーを持った副会長の松尾繁詞司祭、ローマから来伯したカリタス修道女会の古木涼子会長、赤嶺ジュリオ大司教らが続いた。
 赤嶺大司教は説教で、同日が三位一体の祝日だったことから三位一体について説明後、PANIBとカリタスの布教活動を紹介した。「この2団体のように、神様の命を与えられた私達も他者に教えを伝える使命がある」と呼びかけた。

50周年を祝うカリタス、PANIB(中央がカリタス修道女会のナカシマブラジル管区長、右端がPANIBのサカモト会長)

50周年を祝うカリタス、PANIB(中央がカリタス修道女会のナカシマブラジル管区長、右端がPANIBのサカモト会長)

 ミサ終了後、挨拶に立ったPANIBのサカモト会長(50、三世)は参列者へ感謝を述べ、「カリタスはじめ他の宣教師の協力に感謝する。日本移民への布教活動に尽力した最初の宣教師らのように、次世代に福音の喜びを伝え続けたい」と意気込んだ。
 カリタスのテレジア古木涼子会長(52、福岡県)は日本から修道女が派遣された経緯を紹介し、「ここまで成長したPANIB、カリタス・ブラジル支部の姿を見ていると、設立者や最初の派遣修道女ら歴代の会員の歩みが見える。これからも両会が継続されることを神に祈る」と語った。
 その後、サンゴンサーロ教会サロンに聖母婦人会やカリタス、PANIB会員などが集まった。カリタス設立からブラジルでの活動を紹介する映像が上映された後、赤嶺大司教がシャンパンを開け、サカモト会長、カリタスのナカシマブラジル管区長、古木涼子会長らがケーキカットを行った。
 1937年に長崎県で設立されたカリタスは67年にブラジルへ修道女を派遣した。同会のナカシマ・ブラジル管区長(56、二世)は「ブラジルでカリタスの歴史が続いていることに感謝している。創立者も今日のミサ、そしてこのお祝いにたくさんの人が集まり、ブラジル支部が成長したところを見たかったと思う」と微笑んだ。

セー大聖堂を埋めたミサ参列者

セー大聖堂を埋めたミサ参列者

 サンパウロ州サンタイザベル市から参加した浦川とみやさん(97、山口県)は両親がカトリック教信者だった。「幼い頃から教えに触れて、47歳でブラジルに来た後も心の支え。日本人にはカトリックの知識があまりないので、もっと多くの人に伝わってほしい」と語った。
 PANIBは1967年にブラジル司教協議会(CNBB)によりパラナ州ロンドリーナ市で創立され、現在ではパラー州やパラナ州などブラジル各地に支部がある。7月にもロンドリーナ市のパロキア・イマクラーダ・コンセイソン教会で50周年記念ミサを行う。

 

□関連コラム□大耳小耳

 PANIBの松尾副会長によると、仏教徒だった日本人移民がカトリックに目覚めた例の一つとして、サンパウロ州ピンダモニャンガーバ市の話があるそう。同地は日系人初の大臣・故安田ファビオさんの出身地としても有名。「移民初期に米作りのため入った日本移民が、同地の神父と交流を重ねたことがきっかけになり、同地でカトリック教徒になった人が多い」とのこと。言葉の問題を乗り越え、神父が諦めずに布教を続けたことで日本人カトリック教徒が生まれたとか。
     ◎
 パラナ州ロンドリーナ市のパロキア・イマクラーダ・コンセイソン教会は、日曜午前8時半から日語でミサを行う。ミサを執り行う司祭はブラジル人だが、日本に留学経験があるとか。教会内には日本風の聖母の絵が飾られ、青年会メンバーの半分以上が日系人だ。以前、同教会のフェイジョアーダ作りを手伝う機会があったが、ほとんどの婦人がコロニア語で喋っており、移民の色が濃く残っている。興味のある人は、同協会で行われる7月12日(水)のPANIB50周年記念ミサに参加してみては?

image_print