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ブラジルの報道で感じる気候変動

 ブラジルの冬が21日午前1時24分に始まった。サンタカタリーナ州山間部で零下といった報道は例年並みだが、21日のリオデジャネイロ市は20日の雨と強い風による高波などにより、15地区で洪水が起き、交通も混乱したまま明けた▼リオ市では20日、8時間で6月の平均降水量を66%上回る雨が降り、21日朝のTVでも、学校に子供を迎えに行ったまま動けなくなり、子供と共に未明まで車の中で水が引くのを待つ男性の姿などが報じられた。今年のブラジルは、近年は干ばつで泣いていた北東部でも大洪水など、例年にない動きが目立つ▼その一方、米国西部では最高気温が49度と予想され、夏の最高気温が毎年、最高記録を更新中とも語られた。今年も既に昨年の最高気温を上回る見込みだという。そういう意味では、ブラジルの冬は昨年より穏やかで、暑さの方も14、15年ほど厳しくないとの予想に安堵する人も多いだろう▼だが、世界的な気温上昇は地球温暖化の一現象と考えると、今年はエルニーニョ発生の可能性が低く、起きても余り強くないとの報道は歓迎されるが、ブラジル北東部やリオ州の豪雨、北半球の暑い夏といった報道は、大きな懸念材料だ▼カリフォルニア州では岩の上にフライパンを置いておくと目玉焼きが出来ると聞いた事もあり、夏の暑さは今に始まった事ではない。だが、人口が増え、地球温暖化ガス排出量も増えるなど、温暖化が一段と進んでいるのは確かだ。あらゆる部分に人の手が加わり、森林伐採や開発などで温暖化に拍車がかかる中、今何をすべきかを考え、行動に移さなければ、自分達や子供、孫の首を真綿で絞める状態が続くのだと、今一度思わされた朝だった。(み)

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