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大耳小耳

 俳誌『蜂鳥』(編集兼発行人=富重久子)336号が発行された。《妻逝きて部屋の風鈴余韻鳴る》(青木駿浪)はしんみりとさせる作品。《手折り来し秋草させるグヮラナ瓶》(須貝美代香)はブラジルらしい季節感が漂う。《仏壇のまっかな柿に夕日さす》(間部よし乃)は黒檀にダイダイ色の柿という目に鮮やかな一句。《大空に太鼓響かせ梨祭》《剣道の一礼凛々し梨の花》(高橋紫葉)の2作品はサンタカタリーナ州のラーモス移住地を詠った物。今回も秀句がやまもりの一冊。
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 サンパウロ市リベルダーデ区に最近、目に見えて物乞いをする浮浪者が増えてきた。先月、近隣のルス区で行われたクラコランジア一掃作戦で、麻薬常用者や密売人などが散らされ、〃避難〃してきたようだ。今までに何度かあったように、今回も時間が経てば再度ルス区に戻るとの話も。だがドリア市長は「クラコランジアが麻薬流通の場となることはもうない」と強気だ。そうであれば、あの浮浪者たちはリベルダーデ区に居ついてしまうのか。どちらにせよ、しばらくは夜間の出歩きはもちろん、浮浪者が近づいてきたら気をつけて。

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