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「激動の時代で楽しかった」=時事通信の辻さん離任

(左から)辻さんと再任した市川さん

(左から)辻さんと再任した市川さん

 時事通信社サンパウロ支局で、4年間の支局長の任期を終えた辻修平さん(43、東京)と、16日に新たに着任した市川亮太さん(44、北海道)が21日、離着任の挨拶に本紙を訪れた。
 W杯や五輪、その舞台裏での大統領弾劾など、ブラジル近代史に残る4年間を取材してきた辻さんは、「まさに激動の時代だった。本当に楽しかった」と振り返った。
 特に印象深かったのは13年の大規模デモだった。サッカーのコンフェデ杯開催中にバス料金値上げに端を発し、全国約100都市、約140万人以上が参加する史上最大級のデモを着任直後に経験した。
 「文句ばかりを言っていた国民がついに立ち上がった。永遠の大国から本当の大国になるのではと思った」と当時の心境を回想した。「潔癖だが言葉尻をとらえて揚げ足を取りがちな日本の政治家と違い、ブラジルは良くも悪くも図太い政治家ばかり。そんな政治家が日本でも現れれば、かつてのような大物政治家も出てくるのでは」との印象を語った。
 日系社会に関しては「W杯開催の時、訪伯する日本人を『こんなにも支援するんだ』とその姿に胸を打たれた」という。「日系社会への高い信頼があるからこそ、ブラジルで気持ちよく暮らせた」と語り、感謝を滲ませた。
 着任した市川さんは、04年から08年までサンパウロ市局長を務めた。2度目の赴任は、同社では極めて珍しいという。「あれから10年―。色々経験を積みました。サンパウロ再任を希望していたので、実現してうれしいです。またよろしくお願いします」と挨拶した。

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