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上田大使に聞く日パ関係=投資事業の「第3次時代」へ=パラグァイ在住 坂本邦雄

パ国政府から「国家功労大十字章」を叙勲された上田喜久(うえだよしひさ)大使(右)

パ国政府から「国家功労大十字章」を叙勲された上田喜久(うえだよしひさ)大使(右)

 上田喜久(うえだよしひさ)大使は、3年のパラグァイ駐在の任務を無事に終えて、7月1日には離任、帰朝した。それに先立って先月6月13日午前、その功績に対しパ国政府は「国家功労大十字章=Condecoracion de la Orden Nacional del Merito en el Grado de Gran Cruz」」の叙勲式を外務省において行った。
 席上、エラディオ・ロイサガ外務大臣は、「この勲章はパラグァイ共和国が、国家的感謝に値する重要な功績を成した人物に対して授与する名誉の表彰で、恒久のパ日親善友好の絆の更なる強化を果たした上田大使は正にそのメリット該当者である」と賛辞を述べた。
 一方、上田大使は「このような栄誉をパ国政府に深謝し、最近国際社会でパラグァイが民主政体の許に経済開発、自由貿易、人権擁護の透明な進取的(ダイナミック)な発展を示している基本的実績を評価し、今後とも日パ両国の友好協力関係の強化は衰える事はないと信じる」旨を表明した。
 6月28日付の当地ABC紙は、上田大使が語った離任の感想を概略次の様に報じている。
    ◎
 パラグァイで3年間の多忙な外交官の任務を果たした上田大使は日本へ帰任し、東京で民間生活に戻る。
 同氏は我が国へ大使として赴任する以前は、40年余に亘り大蔵官吏、JICA副総裁、在日BID代表など数々の公職を務めた経歴がある。

パラグァイのカルテス大統領(左、Foto: Beto Barata/PR, 3/10/2016)

パラグァイのカルテス大統領(左、Foto: Beto Barata/PR, 3/10/2016)

 我が国へ3年前に着任した2014年初期は、カルテス政権就任後間もない頃で、パラグァイは歴史的にちょうど非常に興味深い時勢下にあった。
 そして、各部門の優秀なプロによるその内閣構造は、その後、パラグァイの国際社会に於ける高いレベルの位置づけに役立ち、地域及び世界に於けるパラグァイの知名度(イメージ)の高揚(アップ)に功を奏し、徐々にパラグァイを見る世界の眼が好転し、今では日本企業のパラグァイ進出の良い刺激になっている。
 この背景があってこそ、かつてのカルテス大統領及びエラディオ・ロイサガ外相夫々の訪日は日パ両国間の交渉に非常に良い結果を齎した。
 「パラグァイは将来短期間中に伸ばし得る大きな発展潜勢力を有している」と上田大使は述べた。「有利なビジネス環境、妥当な課税率、非常に安い電力、及び低い労働争議問題に依る。同じく、パラグァイの国民性は非常に親切で一般に良い働き者である等の特徴が総合して、企業の進出を定める肝心な要因を為すものであると確言した」。
 さらに上田大使は「この3年間の在任中、日パ事業交流の増進で、住友や矢崎など自動車部品の製造企業が相次いでパラグァイに進出して来たのは感慨深い」と語った。
 なお、ブラジルに進出している企業の各日本本社が構成する経済視察団が数カ月前に来パしたのも成功で、これも此処3―4年の間に日本の業界がパラグァイは絶好のビジネス環境を提供している事実を発見した事に他ならないと喜びを表明し、現在日パ関係は絶好だと称えた。
?次いで上田大使は我が国が機関組織の改善プロセスを評価し、次期大統領に誰が選出されても、善政の道は依然として護られるであろうとの意見である。
 しかしながら先般、大統領再選の術を違憲に拘わらず講じようとした動きは大変憂慮され、幸い不発に終わったが、少なからず国民は緊張させられたのは否めないと語った。
 地域の国々の過去を見れば、憲法改正によって大統領の任期更新を強行しようとした動きは、何れも等しく重大な問題を起こし、結局は失敗していると指摘した。
 上田大使は、何れの次期大統領の仮定候補者にも偏らず公平な立場を主張したが、「大事な事は法制・秩序の遵守、履行を実行する為政者を、国民が誤らずに賢明に選ぶのが大切だ」と語った。
?来年の大統領総選挙の結果はどうなるかはいざ知らず、パラグァイと日本の2国間将来の国交は益々友好度を増して行くだろうと上田大使は予想する。
 昨年の2016年、盛大に執り行われたパラグァイ日本人移住80周年記念祭では日パ親善友好の強い絆が新たに反映された。
 再来年の2019年には国交樹立100周年の大きな記念行事が控えていて、両国の友好関係を改めて確認する節目の大事な年である。
 日本政府は今後共パラグァイに対する公共衛生、教育、技術研修(職業訓練)等の各分野での協力を更に強化し、積極的に技能労働者の養成を支援する方針である。
 「最近は日パ両国の2国間の関係は多くの日本投資家の進出を迎える第三相の時代に到達していると思う」と述べた。
 つまり、「過去『移住事業』に始まった日パ関係は、次に『経済協力の時代』を経て、現在は投資事業の『第3次時代』に入ったのだ」と上田大使は締め括った。

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