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半世紀の歴史「末永く歌い継ぐ」=伯日民謡協会50周年記念=豪華慶祝団の歌で会場一体に

終演「花笠音頭」の様子

終演「花笠音頭」の様子

 ブラジル日本民謡協会(塩野彰会長)は16日、同協会創立50周年を記念して「慶祝日本民謡親善公式訪問団ブラジル公演」を、サンパウロ市の文協大講堂で開催した。日本民謡協会からの慶祝使節団(金子利夫団長)としてプロの歌い手、演奏者ら14人が出演。当地の団体も民謡民舞を披露した。公演のあとに記念式典も行われ、各日系団体の代表者などが出席し、節目を盛大に祝った。

 午前9時、総勢80人による「寄せ太鼓パレード」で幕を開けた。パレード隊は太鼓を打ち鳴らしながら観客席を通り、ステージに集結。会場の雰囲気を一気に盛り立てた。
 慶祝団の佐々木基晴民謡名人位は今回が16回目7年ぶりの来伯。佐々木名人位がステージに上がると、待ちわびたファンから声援が飛んだ。佐々木名人位は「ブラジルは私の第二の故郷。皆さんの笑顔を見て、来る度に元気がでる」と話し、「秋田大黒舞」で観客を魅了した。
 金子団長は50周年を祝し、「今後も民謡を末永く歌い継いでいただけたら嬉しい」と話した。今回プレジデンテ・プルデンテ市とブラジリアを訪問したことに触れ、「温かい声援を受けて感激した」と述べた。
 各出演者も唄の前に挨拶を交え、佃光堂さんは「福島はまだ震災の被害から復興している途中。福島を応援したい」と話し、「新相馬節」を情感たっぷりに歌い上げた。
 歌謡曲を得意とする石井基開さんははっぴ姿で登場し、北島三郎の「まつり」を熱唱。石井さんの「セイヤ!」との掛け声に、観客も一体となって応えた。
 当地からは100歳の右田守幸さんが、慶祝団の福島竹峰さんの三味線、佐々木淙山さんの尺八を伴い「島原の子守唄」を披露。元気な声を会場に響かせ、大きな拍手が送られた。
 50周年記念式典には、山田康夫県連会長、与儀昭雄援協会長、松尾治文協副会長、菊地義治移民110周年実行委員長、羽藤ジョージサンパウロ州議代理の小園江オリンピオ氏らが出席した。
 塩野会長は「先輩たちは半世紀に渡って民謡の普及、協会の継続に努力した」と敬意を示すと共に慶祝団、来賓、来場者への謝意を述べた。
 終幕の「花笠音頭」では慶祝団全員が登場し、花笠を持ったブラジル健康体操協会の40人が踊りで参加。会場全体を巻き込み、盛況の内に幕を閉じた。公演を観た50代の女性は「7年前にも佐々木先生の歌声を聞いたが、全然衰えていない。素晴らしい公演だった」と満足げに話した。
 慶祝団員は以下の14人。佐々木基晴民謡名人位、金子利夫団長、菊地淡茂副団長、小田かつよさん、佃光堂さん、福島竹峰さん、野田基詠さん、藪下基藤さん、石井基開さん、伊澤基多喜さん、安田基誓さん、佐々木淙山さん、山本代富さん、石井たか子さん

 

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 伯日本民謡協会創立50周年記念公演の途中、同協会から司会の藤瀬圭子さんにサプライズで感謝状が渡された。彼女は第1回日本民謡全伯大会から50年間司会を務めおり、その功績を評したもの。本人は「事前に感謝状の授与があると聞いていたら、断っていた。塩野会長はそれをわかっていたから黙っていたのだと思う」と不満そうにしながらも、どこか嬉しそうだった。今後の抱負を尋ねると、ジャパン・ハウスの平田アンジェラ館長の言葉を引用して「協会の活動を10年後も20年後も、100周年も魂になって見守る」と話した。これだけ気合十分なら、少なくとも70周年までは司会を務めそう?

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