ホーム | コラム | オーリャ! | 笑い顔のシワに刻まれた苦労

笑い顔のシワに刻まれた苦労

 沖縄県人会スザノ支部の松堂忠顕さん(82)から移住当初の話を聞いた。1957年、妻の初子さん(79)とボリビアのコロニア・オキナワに移住した。「土地が酷かったし、なにより水がなかった。轍にたまった水で顔を洗うほどだった」と話す。6年間農業に従事したが、聖市に転住を決意した。
 聖市では菓子の販売を開始。初子さんが朝4時から作り、忠顕さんが町で売った。「ブラジル人の客は計算が出来ないから、少しちょろまかしたりしてね。生きるためにはしたたかでなければいけなかった」と当時を振り返る。
 スザノに移ったのは70年。農業を始め生活も安定し始めた矢先、16歳の次女が雷に打たれて亡くなった。避雷針も無い時代で、その日だけでスザノ市一帯で7人が亡くなったという。
 忠顕さんは時折笑い話を交えながら話してくれたが、笑い顔のシワの一つ一つに苦労が刻まれていると感じた。(陸)

こちらの記事もどうぞ

  • 日本宗教がディズニー監督の心の支え2017年5月23日 日本宗教がディズニー監督の心の支え  ブラジル人初のディズニーアニメ映画監督となった松田レオナルドさんとの取材後、「もしも書きたければ、私が創価学会で仏教を学んでいることを記事に加えても大丈夫です」と松田さんからメールが入った。  調べてみると同学会のニュースサイト「SEIKYO Online」に3月27日付け […]
  • コラム オーリャ!2004年12月28日 コラム オーリャ!  一年の終わりにこんな結末が用意されていたとは誰が想像しただろう。スマトラ沖地震のニュースは世間のクリスマス明けの穏やかな気分を一転させ、地震被害の悲惨さを改めて認識させた。 […]
  • バーに流れる日本の童謡2017年10月10日 バーに流れる日本の童謡  聖市内のとあるバーで、1日、歌手ヘナート・ブラス(48)のライブが行なわれた。30人ほどが食事を楽しみながら、温かみのある歌声と繊細なギターの音色に聞き入った。ブラスは過去に3回来日公演を行なっており、来月も日本各地で演奏する予定だ。  ライブでは、童謡「故郷」を日語で披露 […]
  • 手間を尽くしたこだわりの味2017年10月3日 手間を尽くしたこだわりの味  JICAシニアボランティア農業技術者の浦田さんは、03年から4回に渡って伯国に派遣され、果物の栽培方法についての研修会や農家へ個別指導を行なってきた。  浦田さん指導の下、07年に商品化した「金星」は、現在ではAPPCの主力生産物。6月から8月に市場に出回るデコポンと同品種 […]
  • 日本人としての感性2017年9月13日 日本人としての感性  サンパウロ日本人学校の吉田校長は50周年式典で校訓「自主自立」「一所懸命」を紹介。「元来、本校は自由な校風であったが、子供が日本に戻ってすぐに馴染めるようにすることも大切。例えば、出し物で役割を与えてそれを楽しみながら全うしていくことで、責任感を身に付けて欲しい」と述べた。 […]