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笑い顔のシワに刻まれた苦労

 沖縄県人会スザノ支部の松堂忠顕さん(82)から移住当初の話を聞いた。1957年、妻の初子さん(79)とボリビアのコロニア・オキナワに移住した。「土地が酷かったし、なにより水がなかった。轍にたまった水で顔を洗うほどだった」と話す。6年間農業に従事したが、聖市に転住を決意した。
 聖市では菓子の販売を開始。初子さんが朝4時から作り、忠顕さんが町で売った。「ブラジル人の客は計算が出来ないから、少しちょろまかしたりしてね。生きるためにはしたたかでなければいけなかった」と当時を振り返る。
 スザノに移ったのは70年。農業を始め生活も安定し始めた矢先、16歳の次女が雷に打たれて亡くなった。避雷針も無い時代で、その日だけでスザノ市一帯で7人が亡くなったという。
 忠顕さんは時折笑い話を交えながら話してくれたが、笑い顔のシワの一つ一つに苦労が刻まれていると感じた。(陸)

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