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ビューティ・フェアに16万人=南米最大の国際美容化粧市=「Yama」にベレーザ賞

来賓らで鏡割り(法被を着た左端が池崎名誉会長)

来賓らで鏡割り(法被を着た左端が池崎名誉会長)

 池崎商会が主催するブラジル最大規模の美容・化粧品市『第13回ビューティー・フェア』(池崎博文名誉会長)が9~12日にかけて、サンパウロ市のエキスポ・センター・ノルテで開催された。会場は7部門に分けられ、約530もの展示場が設置された。初日には日系の美容品会社「Yama」の設立50周年を記念し、池崎名誉会長からベレーザ賞が贈られた。

 午前11時、会場内の講堂で開会式が行われ、池崎名誉会長は挨拶で「美容・化粧品市として南北アメリカ大陸で最大」と自ら紹介し、「現在ブラジルは厳しい状況にあるが、美容業界の奮闘で当地の美容市場は今や世界で4番目の大きさ。今イベントでは国内外の美容・化粧品を楽しんで欲しい」と語った。
 来賓の飯星ワルテル、太田慶子下議のほか、野村アウレリオ市議、在聖日本国総領事館の関口ひとみ首席領事などが祝辞を述べた。
 来賓らは講堂前の鳥居前に移動し、テープカット、くす玉割りを行った。鳥居の中心に吊るされたくす玉が割られ、中から「Beauty Fair 2017」と書かれた垂れ幕が下がると同時に、鳥居の横から紙吹雪が噴射された。
 盛大な仕掛けで観客が盛り上がる中、鏡割りが行われ、文協の松尾治副会長による乾杯の音頭でイベント開催を祝った。
 式後は池崎名誉会長が来賓を率い、会場を案内した。舞台付きの展示場でドラァグ・クイーン(女装演技者)や上裸の男性などが客を呼び込む店もあり、歓声を上げる来場客に餅まきの如く試供品を投げるなど、音楽イベントのような盛り上がりを見せていた。

試供品に来場客も大盛り上がり

試供品に来場客も大盛り上がり

 来賓用の部屋では池崎名誉会長から「Yama」の設立50周年を記念し、盾とトロフィーが贈られた。同社は1967年に山村カズオ・パウロさん(二世)が創立した。
 サンパウロ市スマレー区で理容店を経営していた山村さんは、理容店用のシャンプーや髪用クリームを仕入れる際の値段の高さ、商品が届く遅さを問題に感じ、自ら製品を作り始めた。その製品が人伝に評判を呼び、会社設立に至ったという。
 山村家の三男である山村パウロ・シゲオ貿易部長(52、三世)は受賞について、「我々の会社に対し、池崎さんから賞が贈られたことは一つの誇り。これからもブラジルの美用業界で頑張りたい」と語った。
 姉妹で来場した島袋静江さん(二世、70)とローザさん(66)は「毎年規模が大きくなっている。素敵な物がたくさんあるので、もっと多くの人に来て欲しい」と笑顔を見せた。

 

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 牛肉大国・ブラジルでも、近年増加傾向にあるヴィーガン(絶対菜食主義)の流れ。これが美容・化粧品業界にも入って来ており、動物由来の成分を使わず動物実験をしないことを公言する国産企業も出てきた。その一つ、SURYA・ブラジルの設立者クレリア・セシリア・アンジェロンさん(69)は、本人もヴィーガン。「健康のためにも、自分が求める化粧品を作りたかった」と設立の背景を語った。現在日本を含め40カ国で商品が販売されている。「参入してから20年目の米国市場で、今年だけで92%の成長を記録した」と笑顔を見せた。
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 同じくヴィーガン向けで、製造から包装まで全て手作業という「RAISA」。製品に化学防腐剤を使わず、動物実験も行わないそう。洗米した水から作った洗顔用石鹸がきっかけで08年に設立。広報担当のフランシスコ・アラウジョさんによると、「ブラジルでも昔は洗米した水で顔を洗う人がいた。それを基に設立者が遊びで作っていたら〃良いもの〃ができてしまった」と紹介した。同社では男性用の美容品としてセルベージャが原料の髭用美容品なども販売。他の髭用美容品メーカーによると、「男性の口・顎鬚の流行は少なくともあと5年ぐらいは続く」とのこと。7~10年程度の周期だそう。髭用の美容品販売を考えている人はお早めに!?

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