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リオ市=ロッシーニャでの混乱続く=陸軍兵700人の動員決定

 【既報関連】リオ市南部のロッシーニャ地区での麻薬密売者たちの抗争が収まらず、22日、混乱解決のために陸軍兵700人が動員されることになった。22日付現地紙が報じている。
 17日に始まった銃撃戦は、ロッシーニャを支配していた麻薬密売組織「アミーゴス・ドス・アミーゴス(ADA)」元首領で連邦刑務所に収監中のアントニオ・フランシスコ・ロペス(通称ネン)とその妻を支持するグループが同地区に侵入し、現在同地区を支配している、ネンの元部下で後継者のロジェリオ・ダ・シウヴァを支持するグループとの内部抗争を起こしたことが原因だ。
 リオ市では18日から連日、軍警特別機動隊(BOPE)と市警によるオペレーションが行われており、麻薬組織の拠点に入り込んだ警官が、銃や爆薬、大麻やコカインの押収を行っている。だが、ADA構成員らは逮捕できておらず、犯罪者同士や犯罪者と警官との間の銃撃戦が別の地区にも広がり、民間人の死傷者も出ている。
 フェルナンド・ペゾン州知事は20日、ロッシーニャ外のADA構成員がロッシーニャ侵入を試みようとしているとの情報を得ていたが、大量の死傷者が出るのを防ぐために侵入阻止をとどめたことと、軍の導入は不要との見解を示した。
 だが、抗争は激しさを増し、22日朝は、ロッシーニャ付近で通行中のバスに銃弾が打ち込まれる事態が発生。ロッシーニャ以外でも、マレーやアレモンなどの7地区で銃撃戦が起きた。ロッシーニャなどでは学校が休校となり、商業活動も停止。外出もしないよう勧められている。
 ぺゾン知事はこの状態を沈静化させる目的で、22日朝、ラウル・ジュングマン国防相に陸軍兵の派遣を要請した。同防相はこれを了承し、22日午後、ロッシーニャを包囲し、同地区の警備を行うために陸軍兵約700人の動員を許可した。
 現地紙によると、こうした派兵の場合、陸軍兵は1万人まで増員が可能だという。ラケル・ドッジ検察庁長官は同日、国防相との会談時に、複数の機関の人員を投じて対策をとるよう要請した。

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