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日系移民作家=ノーベル文学賞受賞=聖市 駒形秀雄

 スエーデンアカデミーは10月5日、2017年度のノーベル文学賞の受賞者決定を発表しました。世界的文学賞受賞者に選ばれたのは日本生まれの英国籍作家、カズオ・イシグロ氏(62才)です。
 私達、同じ日本人として大変嬉しく、かつ、誇らしい気持ちになりました。
 イシグロ氏は日本、長崎の生まれで、5才の時両親と英国に移住し、英文で多数の文学作品を発表している人ですが、私はこのニュースを聞きながら、ブラジルにも同じような優れた才能を持った方が居られることを思い浮かべていました。
 その方とは中島宏さん。やはり日本生まれで、両親と移住して現在はブラジルで活躍されているところはイシグロさんと同じです。
 中島さんは、実業の世界では立派な業績を上げて居られますが、文学の分野でも多数の著作をお持ちで、ここでは以下の3大労作をご紹介致したいと思います。
▼遥かなる大地ーブーゲンビリアー上、中、下の3巻。
 ブラジルの日系移民の先駆けとなった人々の物語である。山県氏、蜂谷氏など有名人が実名で登場する事実を基にした小説である。
▼約束の地ークリスト・レイー(上、下)
 徳川期にあった日本の隠れキリシタンがブラジルにその信仰の夢の地建設に努力した物語である。ノロエステとかプロミッソンとか私達にお馴染みの土地がその生活の舞台となっている。
▼大平原の物語ーグレート・プレーンズー(上、中、下)
 舞台は米国、中西部開拓時代の物語である。ドイツから米国への移民が物語りの中心だが、ブラジルへ渡った日本人移民の姿と重なるところもあり、内容に深みが増す。
 以上、文学的素養のない私ではとてもその全容を紹介出来ないが、小説の形をとりながら異文化混流による社会文化の形成なども論じ、著者中島さんの文化論などが展開される小説だと言えましょう。
 英国を本拠とするイシグロさん、ブラジルを舞台にする中島さん、住むところは異なるが、お二人の思想的根底には「日本文化」という、共通したものがあるのでないでしょうか。興味深いことであります。

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