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援協=イペランジャホーム増築落成=緒方理事長に聖市名誉市民章も=在伯日系社会に総額13億円

増築落成を祝した関係者

増築落成を祝した関係者

聖市名誉市民章を受章した緒方理事長

聖市名誉市民章を受章した緒方理事長

 1983年に日系社会初の有料老人ホームとして開所した日伯福祉援護協会(与儀昭雄会長)スザノ・イペランジャホーム――。高齢化に伴い手狭となった施設の入居枠拡大のため、公益財団法人日本財団(笹川陽平会長)から約1億円の資金援助を受けて施設を増築し、7日、落成式が行われた。また、これまで在伯日系社会に総額13億円を越える支援を行ってきた同財団の功績を称えて、緒方武寿理事長に対し聖市名誉市民章授与式が、9日、宮城県人会館で催された。

 

 82年に同市福博村の内谷忠雄氏から約6万平方メートルの大規模農場の寄贈を受け、83年に開園した同施設。白蟻被害や老朽化が進むなか、01年に日本財団から5千万円の援助を受けて旧館を建替。今回の増築により、入居枠は34人から50人に拡大した。

 式典で挨拶に立った与儀会長は、同財団に対して謝意を示した上で、伯国の高齢化の見通しについて言及。

 「50年には60歳以上高齢者が人口の30%に達する見込みだが、それに向けた対策が取られていない」と現状を語り、「福祉医療事業を推進するとの使命の下、援協は今後も社会に尽くしていく」と意気込んだ。

 前身である日本船舶振興会が78年にサントス厚生ホームに1億円の援助をして以来、総額3億円に上る援助を同会にしてきた同財団。緒方理事長は「海外での最初の仕事は日系人支援だった」と国際協力事業の歴史を振り返った。

 その上で「伯国日系社会は実によく纏まっており、大先輩の結束力が現在に引継がれていることに感動すら覚える。病院や老人ホームが安定的に運営されているのは、紛れもない証拠だ」と語り、「立派な仕事にお手伝いできたことに感謝。良い建物として後世に残れば」と期待を込めた。

 そのほか、出席したロドリゴ・アシウチ同市長、岩嶋健次在聖領事、高木政親スザノ文化体育農事協会会長らから祝辞が相次ぎ、東西本願寺両住職による修祓式の後、新棟でテープカット、記念プレート除幕式が行われた。

 9日、宮城県会館で開催された授与式は、大田正高聖市議の働きかけにより実現したもの。

 聖名誉市民章を受けた緒方理事長は「花束をもらったのは結婚式以来。実は宮城県石巻市の出身で、何かの縁を感じている」と同館で開催されたことに喜びを語り、挨拶文を朗読した。

 移民の足跡を振り返りつつ、「日系人は立派な伯人。帰属する伯国に忠誠を尽くし、最善の努力をすべき。それこそが未開の大地を開拓してきた先人への恩返しになる」とする一方で、「世代を経てもルーツが日本にあることは忘れないで欲しい」と語った。

 「あれこそが我が祖先の国と世界にむかって皆さんが胸を張れるよう、国際社会で尊敬される国家を築いていくことをこの場で約束したい」と続け、「世界の何処でも同胞が困難に見舞われていたら手を差し伸べたい」と在外同胞に対する熱い思いを語った。

 

コラム 大耳小耳

 増築された新棟には、一度に78人が食事を取れる食堂や台所、2人部屋10室も。各部屋には車椅子でも使用できるシャワーやトイレも完備されている。入居条件としては、健康で自立していること、もしくは車椅子でも助けを借りながら自立して動けることが条件。一ヶ月の入居費用は、二部屋3700レアル、一人部屋の場合は、4500レ。早ければ、10月末には入居開始となる見込み。関心のある方は、実際にホームを訪れて検討してみては?!問合せは、援協もしくはイペランジャホームまで。

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