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ブラジル福島県人会創立100周年=記念式典に知事ら18人来伯=「皆さんは福島県人の誇り」

来賓らで記念撮影(下段左から3番目から杉山県議会議長、内堀知事、永山会長)

来賓らで記念撮影(下段左から3番目から杉山県議会議長、内堀知事、永山会長)

 創立から100年を迎えたブラジル福島県人会(永山八郎会長)が22日、聖市の北海道協会会館で『ブラジル福島県人会創立100周年記念式典』を開催した。日本から来伯した内堀雅雄知事や杉山純一県議会議長ら18人の慶祝団をはじめ、来賓や県人ら約300人が祝いのために駆けつけた。

 

乾杯する三木副会長、永山会長、内堀知事、杉山県議会議長

乾杯する三木副会長、永山会長、内堀知事、杉山県議会議長

 伯国における福島県人の歴史は1908年から始まる。笠戸丸で77人の福島県人が上陸し、9年後の1917年10月25日に、故渡辺孝初代会長と数人の同志により県人会が早々と創立された。

 当日は午前10時、曽我部威実行委員長(同県人会事務局長)の開会挨拶で式典が始まった。聖州軍警音楽隊の演奏による日伯国歌斉唱の後、先没者に1分間の黙祷を捧げた。

 挨拶に立った永山会長(83、いわき市)は先人に敬意を表し、母県の留学生・研修生受け入れに対し感謝を述べた。また、「今日は200年に向けたスタートライン」と語り100年後を見据え熱い気持ちを語った。

 内堀知事(53、長野県)は「広大な伯国の地で幾多の困難を乗り越え、ブラジル社会で確固たる地位を築いた皆さんは福島県人の誇り。福島県はいつまでも皆さんの故郷」と語り、母県訪問を呼びかけた。

杉山県議会議長、内堀知事、永山会長(左から)

杉山県議会議長、内堀知事、永山会長(左から)

 杉山県議会議長、野口泰在聖総領事、西本エリオ聖州議、野村アウレリオ聖市議らも祝辞を述べ、JA全農福島や羽藤ジョルジ市議らから寄せられた祝辞も代読された。

 賀寿高齢者表彰では代表して小島友四郎さんが内堀知事から表彰状を受け取った。小島さんは「めでたい席で知事直々に表彰状を頂き、ありがとうございます」と感謝を述べた。

 功労者・特別功労者表彰では長年県人会の活動に貢献し、式典準備にも尽力した宮谷てるこさんが代表として登壇。県人会の節目に祝辞を贈り、「慶祝団を迎えて100周年のお祝いができることに、皆を代表してお礼を述べます」と語った。

 その後は内堀知事、杉山県議会議長と永山会長らで記念品及び表彰状や記念プレートを交換した。伯国が誇る航空機製造会社エンブラエルが所在するサンジョゼ・ドス・カンポス市を地元とする西本州議からは、永山会長、内堀知事、杉山県議会議長に飛行機の模型が贈られた。また、内堀知事らからは県人会と日系3団体に寄付金が贈られた。

 昨年の県費留学生、猪狩ユキさんによる留学生・研修生OB代表挨拶では、「皆さんの支えで県人会が続いている」と先人、母県の支援に感謝が伝えられた。そして会場全体で「ふるさと」を合唱し、式典は閉会となった。

 

祝辞=いつまでも皆様の「ふるさと」=福島県知事 内堀雅雄

 

内堀知事

内堀知事

 ブラジル福島県人会が創立100周年を迎えられましたことに、心からお祝いを申し上げます。

 1908年、福島県人が「笠戸丸」でサントス港に歴史的な第一歩を記した日から一世紀以上になります。移住された皆様は、異国の地で、幾多の困難を乗り越え、確固たる地位を築かれるとともに、ブラジル社会に多大な御貢献をされてこられました。

 そして、1917年に創立されたブラジル福島県人会が、このたび、記念すべき100周年を迎えられました。移住直後の厳しい環境の中で、県人会という存在がどれほど重要な意味を持ち、皆様の心の支えであったのかは想像に難くありません。福島県人の「ねばり強さ」と「誠実さ」で、数々の困難を共に乗り越え、100年という長い年月を歩んでこられた県人会の皆様の御労苦に対し、心から敬意を表します。

 福島県ではこれまでも、「県費留学生受入事業」や「中南米国移住者子弟研修生受入事業」などを通じ、今後のブラジル日系人社会を担う多くの若い方々に来県いただいております。福島の暮らしや文化に実際に触れ、学び、福島への思いをより深めて帰国された方々が、ブラジルと福島の友好の懸け橋となっていただいていることを、大変心強く感じております。

 東日本大震災から6年半が経過いたしました。

 この間、ブラジル県人会の皆様を始めとした、世界中の方々からの温かい御支援により、インフラの復旧や福島の未来を拓く様々な拠点施設の整備進展、新産業の創出、県産品の国内外での高い評価、県内観光地におけるにぎわいの回復など、福島県は着実に復興への歩みを進めてまいりました。

 さらには、東京オリンピック・パラリンピック競技大会での野球・ソフトボール競技の県内開催が決定するなど、明るい光が一層の強まりを見せております。

 こうした光をより強く大きな輝きとするため、今後とも、県人会の皆様を始め、福島に思いを寄せてくださる全ての方々と力を合わせて、復興を更に前へと進めてまいりますので、引き続き、御支援、御協力をお願い申し上げます。

 また、福島県は、雄大で美しい自然、奥深い歴史や伝統文化、国内外で高い評価を得ている日本酒や多彩な食、130を超える温泉など、たくさんの宝に恵まれております。福島にお戻りいただいた際には、復興に向けて歩む県民の姿やこうした様々な魅力に触れていただければ幸いです。

 福島県は、いつまでも皆様の「ふるさと」であり、皆様のお越しを心からお待ちしております。

 結びに、ブラジル福島県人会の今後ますますの御発展と、皆様の御活躍、御健勝、さらには、ブラジルと福島県との交流がより一層深まりますことを心からお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。

 

祝辞 福島県議会議長 杉山 純一

 

杉山議長

杉山議長

 ブラジル福島県人会がこの度、記念すべき創立100周年の節目の年を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。福島県議会を代表いたしまして、心からお祝いを申し上げます。

 ブラジルと福島県との関係は、1908年の第1回移住以来の長い歴史を有しておりますが、とりわけ福島県人会は他県県人会に先駆けて組織され、母県との懸け橋さらには県人の物心両面を支える拠り所として、計り知れない大きな役割を果たしてこられました。

 この間、先人の方々の御労苦は、筆舌に尽くせないことの連続であったかと思いますが、新しい生活の開拓に不屈の精神で臨まれた結果、今や皆様は、ブラジル社会のあらゆる分野で御活躍され、今日の輝かしい地位と厚い信頼を得る存在に至っておられるところであり、誠に喜ばしい限りであります。

 ここに、皆様のこれまでの長年の御努力と御尽力に対し、改めて衷心より敬意と感謝の意を表します。

 東日本大震災と原子力発電所事故から6年半が経ちました。皆様の母県、福島県では、今もなお、5万人を超える県民が避難生活を続けており、被災者の生活再建支援、原子力発電所の廃炉・汚染水対策、風評対策など、乗り越えなければならない困難な課題が山積しております。

 一方、国内外からの温かい御支援と県民の御努力により、インフラの復旧整備、経済指標や観光地のにぎわいの回復など、本県の復興に向けた歩みは着実に前進してきております。貴会の皆様には、発災当初から、折に触れ、様々な形で御支援をいただいておりますこと、この場をお借りいたしまして深く感謝を申し上げます。

 昨年、貴国で開催されましたリオ・デ・ジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会は、記憶に残る素晴らしい大会となり、福島県民をはじめ世界の多くの人々に感動を与えてくれました。3年後の2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会では、野球・ソフトボール競技が福島県で開催されます。

 これを好機とし、本県の復興が前に進んでいる姿や多くの方々からの御支援に対する感謝を全世界に伝えるとともに、復興の加速化と未来を担う子どもたちの夢や希望に繋げてまいりたいと考えております。

 福島県の復興への道のりは長く厳しいものがありますが、現在、直面する様々な困難を一つずつ着実に乗り越え、県民一丸となってふるさと福島の復興を更に前に進めてまいる所存であります。どうか皆様には、これまでに培った豊富な知識と経験を存分に発揮され、貴国ブラジルの発展への御貢献と伯日両国間の友好親善の懸け橋として、なお一層の御尽力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

 結びに、ブラジル福島県人会の限りない御発展と皆様の一層の御活躍、御多幸を心から御祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。

 

なごやかに祝賀パーティ=100周年に祝いの声

 

会場を魅了した「優美」の発表

会場を魅了した「優美」の発表

 式典後の祝賀パーティでは、内堀知事、杉山県議会議長、永山会長、三木アメリゴ副会長による鏡開きが行われた。大山義夫相談役が音頭を取り会場全体で乾杯、懇親の場となった。

 式典に参加した株式会社五十嵐製麺の五十嵐孝代表取締役(63、喜多方市)は会場を見回しながら、「これだけの人が集まっていることに驚いた。震災のときはブラジル福島県人会はじめ、世界中の県人会にお世話になった。また来年のブラジル日本移民110周年にも訪問し、大々的に喜田方ラーメン祭りをやりたい」との抱負を語った。

 また、式典前日にある県人移住者から郷愁の想いを聞き、「帰りたくても帰れなかった人もいたんだと悲しくなった」と涙ぐみ移民に思いを馳せた。

 鏡開きに自社製品を提供した合資会社大和川酒造店の佐藤和典取締役社長(60、同)は、「ずっと伯国への輸入に手こずっていたが、県人会の100周年式典に間に合ってよかった。喜多方市の酒造店の製品でお祝いできて嬉しい」と語り、「日本で飲むより美味しく感じる」と喜びを滲ませた。

 在亜福島県人会を代表して参加した樋口ジルダ喜久子さん(35、三世)は、「100年前から県人会があるのは珍しい。これだけのイベントが開催できるのも素晴らしいこと。子弟にしっかりと日語や日本文化が伝わっていてすごい」と驚いた様子で語った。

 祝賀パーティでは海藤グループが「新相馬節」など福島県の民謡を披露。また、稽古堂による迫真の演舞「白虎隊」や健康体操の息の合った踊り、ジャパニーズ・ダンスカンパニー「優美」の日本舞踊が会場を魅了した。

 さらにサンバショーが行われ、曽我部実行委員長や永山会長のほか来場客も踊りに加わり楽しんだ。

 最後に永山会長、内堀知事、杉山県議会議長でケーキカットが行われた。会場一体となりポ語で「ハッピーバースデー」を歌った。3人がケーキに入刀すると「おめでとう」という声が上がり、拍手で県人会の一世紀を祝った。

 

内堀県知事が表敬訪問=アウキミン聖州知事と会談

 

 慶祝団一行は20日に着伯し、イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑、日本館を訪問。21日にはジャパン・ハウスで福島県の復興活動についてのセミナー「福島の今」を開催し、来場者約80人に復興活動の現状と2020年の東京五輪に関する展望を講演した。

 23日午後にはジェラウド・アウキミン聖州知事を表敬訪問し、東日本大震災での援助に県民代表として感謝を述べた。また、東京五輪での訪日を呼びかけ福島県の特産品、会津漆器を贈った。

 慶祝団の全日程に付き添った曽我部事務局長は「終始ニコニコしていて非常に良い会談だった。聖州知事には中々会えないと言うが、内堀知事の熱意に心を動かされたのではないか」と語った。

 

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