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和歌山県人会=移住100周年記念式典=仁坂知事や中南米三ヵ国からも=400人が聖州議会で祝う

(左から)ケーキカットで慶事を祝した仁坂知事、谷口会長、野口総領事、尾崎議長

(左から)ケーキカットで慶事を祝した仁坂知事、谷口会長、野口総領事、尾崎議長

ほぼ満席となった本会議場

ほぼ満席となった本会議場

 ブラジル和歌山県人会(谷口ジョゼー眞一郎会長)は、『和歌山県人ブラジル移住100周年記念式典』を先月29日、聖州議会にて開催した。母県から仁坂吉伸知事や尾崎太郎議会議長をはじめメキシコ、ペルー、アルゼンチン三ヵ国の同県人会から20人以上の慶祝団を迎えたほか、ゆかりの深い南麻州の松原植民地やドウラードス市などの遠方からも県人が駆けつけ、400人以上の関係者が盛大に節目の年を祝った。

 

 午前9時、フランコ・モントーロ講堂にて、浄土宗日伯寺稲場ペドロ導師により、しめやかに執り行われた先没者慰霊法要では、およそ200人が出席。献花に長蛇の列を成し、先人の遺徳を偲んだ。

 その後、ジュセリーノ・クビシェッキ本会議場へ移動。午前10時、聖州軍警楽隊の演奏により日伯両国歌が高らかに斉唱されると、式典は始まりを告げた。

 同県出身の母を持つ羽藤譲二聖州議の発議により同議会で式典をすることになった。病床に臥す同州議に代わり飯星ワルテル連邦下議が議長を務め、息子の羽藤ジョルジ聖市議も出席した。

慶祝団を迎え記念撮影

慶祝団を迎え記念撮影

 式典では、谷口会長の挨拶に続き、仁坂知事、尾崎議長、野口泰在聖総領事、公益財団法人和歌山県国際交流協会の樫畑直尚理事長、和歌山県中南米交流協会の眞砂睦会長、わかやま南北アメリカ協会の迫間脩会長、メキシコ和歌山県人会の小原寺本アルベルト元会長、ペルー和歌山県人会の佐藤セルヒオ会長、アルゼンチン和歌山県人会の里信ウィウィアン会長、山田康夫県連会長から祝辞が寄せられた。

 その後、100歳長寿者、80歳以上の高齢者、功労者、高名移住者、100周年移住者に対して表彰が行なわれた後、谷口会長と来賓者の間で記念品や寄付金の贈呈が行なわれた。最後は、和歌山県琴美会による優美な演奏で、式典は幕を閉じた。

 引き続き、同議会内の食堂に場所を移し、懇親会を開催。ケーキカット、鏡開きに続き、泉正徳県議会議員の音頭で節目を祝して乾杯すると、会場は熱気を帯び、参加者は豪勢な料理に舌鼓し、歓談に興じた。

 故・竹中儀助初代会長の孫・ムツさん(74)は、「小さい頃のことではっきりした記憶はないですが、勤勉で実直な人だった。祖父も喜んでいるわ」と喜んだ。53年の和歌山大洪水で被災者救援策として県人移民受入に尽力した祖父に思いを馳せ、「今では想像もつかない困難な時代だったんでしょう」と感慨深げに語った。

 同県人移民第一号で、サントス日本人会の初代会長を務めた故・中井繁次郎さんの孫・貞夫同市議は「祖父の辿ってきた足跡を追い、多くを学んできた」と語る。戦時中にサントスから強制立退きさせられ、その時に日本人学校は接収された。その校舎の返還運動に携わった祖父の遺志を継ぎ、昨年、念願の返還実現に貢献した貞夫さん。

 「戦後サントスに戻った祖父が日本人会を再開した年齢と同年代。日系社会が益々発展するように努力していきたい」と力を込めた。

 

移住振興に尽力した先駆者=創立60年を迎えた県人会活動

 

献花に列を成した慰霊法要

献花に列を成した慰霊法要

 笠戸丸移民から8年後の1916年に和歌山県人の先駆けとして中井繁次郎さんが移住して以来、戦前戦後併せて約1600世帯6千人を送り出してきた同県。同県移民はハワイや米国本土にはじまり、全国でも第6番目の移民県としても知られ、現在、伯国では県人子弟は推定4万人近くに上る。

 在伯和歌山県人会は、母県からの移住振興を目的に54年に創立。初代会長の竹中儀助は、53年に母県で起こった大洪水被害者の救援策として、伯国への移民受入を計画。その受け皿として設立された和歌山不動産株式会社では、自ら社長となり、移民たちの世話に尽くした。

 また、母県からの移民送出に貢献した人物に松原安太郎もいた。戦後の経済危機の最中、松原は中部4州に8年計画で2万人の移民入植計画を考案。当時のヴァルガス大統領の承認を得て、同計画実行のために日本政府要人と折衝し、その実現に向け多大な尽力をした。

 その後、和田庄一第三代会長の時代に、母県からの援助を受けて、74年に現在の場所に県人会館が落成。これまで6人の会長が県人会活動を牽引し、15年には初の二世会長として谷口会長が就任。14年には創立60周年を迎え、近年では、県連日本祭の郷土食ブースで関西風お好み焼きを販売し、一番の集客力を誇るなど、目を見張る活動を行ってきた。

 

故郷への熱い想いに胸打たれ=和歌山県知事 仁坂吉伸

仁坂知事

仁坂知事

 谷口会長はじめ和歌山県人会の皆様、御来賓並びに本日御臨席の皆様、本日、「和歌山県人ブラジル移住百周年記念式典」が、このように盛大に開催されますことを心よりお慶び申し上げます。

 和歌山県からブラジルへの移住は、今から100年前、大正初期に始まったことが記録されています。神戸港を出港し、アフリカ大陸最南端の喜望峰を経由、およそ2か月をかけてサントスに到着し、内陸にあるコーヒー園へ向かわれたと聞いております。

 当時移住された方々は、厳しい住環境や労働条件、あるいは干ばつによる不作など、幾多の困難を乗り越えられ、文化や風習、言語の異なる異国の地で生活の基盤を作り上げられました。そして、そこで得た多くの財産を、日本にいる家族や故郷に送金し、当時の日本を支えてこられたのです。本日は、最初に移住された方々の御子孫も出席されていると聞いております。

 また、この100年間の歴史の中で、第二次世界大戦後の日本は、食糧難・就職難の時期があり、さらに1953年(昭和28年)には、ふるさと和歌山を大水害が襲い甚大な被害をもたらしました。このような社会情勢を背景に、和歌山から大勢の方々が新天地を求めてブラジルへと渡られました。

 和歌山県から移住された方々は、その勤勉さとたゆまぬ努力で信頼を勝ち取り、今日の日系人社会の繁栄を築いてこられたのです。ここに改めて、移民の先駆けとなった方々へ、そしてブラジルの地で御活躍なされる県人会の皆様方に、深い敬意の念を表します。

 県人会におかれましては、周年の式典を5年ごとに開催されており、55周年、及び60周年記念式典には私も出席させていただきました。楽しい時間を御一緒する中、皆様方のふるさと和歌山への熱い思いに心を打たれたことを、昨日のことのように思い出します。

 ブラジルでの移民の歴史が100年を超え、二世、三世へと世代が引き継がれる状況にあって、周年の式典はもとより、この度の「移住百周年記念式典」が開催されることは、先人たちの御功労を顕彰するとともに、皆様が、そのルーツを再認識する機会として、大変意義深いものであると考えております。

 和歌山県といたしましても、2009年から実施しております県人会の子弟受入を、引き続き実施していくことで、県人会の皆様との絆を強めてまいりたいと考えております。

 和歌山県出身の皆様が、このブラジルの地において、多くの苦労を乗り越えられて、今日の生活を築かれているように、皆様の故郷和歌山県も、残された皆様の同胞がたくさんの困難を乗り越えて、元気に今日の和歌山を作っています。来る2019年には「ねんりんピック」、2021年には「国民文化祭」や関西一円で開催される「ワールドマスターズゲームズ」などが和歌山を舞台に開催されます。皆様方には、これらの機会に、是非、里帰りしていただき、皆様の同胞との交歓を楽しんでいただき、和歌山の魅力を十分に堪能していただければと願っております。私たちはいつでも皆様を歓迎いたします。

 結びに、谷口会長をはじめ県人会の皆様、御来賓の皆様、御来場の皆様方の更なる御活躍と、御健勝をお祈り申し上げ、挨拶といたします。

 

開拓魂に敬意=和歌山県議会議長 尾崎太郎

尾﨑議長

尾﨑議長

 はじめに「和歌山県人ブラジル移住百周年記念式典」がこのように多くの皆様のご参加の中で盛大に開催されますことを、和歌山県議会を代表いたしまして、心よりお祝いを申し上げます。

 また、谷口会長をはじめ県人会の皆様のご配意により、私たち和歌山県議会の議員をこの記念すべき場にお招きいただいたことにつきまして、厚くお礼を申し上げます。

 私自身、「在伯和歌山県人会創立50周年記念式典」に出席をさせていただいており、このたび、13年ぶりにここブラジルの地を訪れることができました。「百周年」という大きな節目に、はからずも県議会の代表である議長として皆様にお目にかかることができ大変感激をしております。前回の訪問時と同様、ブラジルのこと、和歌山のことなど色々とお話をして楽しい時間をご一緒に過ごさせていただきたいと思っております。

 私たち訪問団は、一昨日の夜和歌山を出発し約30時間をかけて当地に到着しました。

 世界の国々への移動が非常に速く便利になった今日でも、ブラジルは本当に遠いところだと改めて実感した次第です。ましてや今から100年前に移民としてブラジルに渡った先人の方々が、地球をちょうど半周したこの遠く離れた異国の地で、言葉の壁や日本と異なる食文化、生活習慣、風土病のマラリアなど数々の困難に直面しながらも開拓魂を発揮し乗り越えられた、ひとかたならぬご苦労やご努力に心から敬意を表したいと思います。

 また、県人会の皆様が、和歌山を母なる故郷「母県」と想い慕っていただき、ブラジルと日本との友好親善にご尽力されておりますことに対しまして、併せて深く敬意を表し感謝を申し上げる次第です。

 知事の挨拶にありましたとおり、今後、「ねんりんぴっく」や「国民文化祭」、「関西ワールドマスターズゲームズ2021」など和歌山を舞台に開催される催しが目白押しです。この機会に、皆様方も、是非また和歌山へお越しいただき、世界遺産や温泉など「ふるさと和歌山」の癒やしを満喫していただくとともに、和歌山が誇る海の幸、山の幸も存分にご賞味いただければ幸いです。

 和歌山県議会といたしましても、今日、皆様とこのようにお会いしたことで、皆様のふるさとでもあります和歌山の発展と両国の友好の絆を深めるため、さらに全力で取り組んでいかなければとの思いを強くしたところでございます。

 最後になりましたが、谷口会長はじめ和歌山県人会の皆様、ご来賓の皆様、そしてご来場の皆様のご活躍とご健勝を心からお祈りいたしまして、お祝いのご挨拶とさせていただきます。

 

日本文化と伝統を守りたい=ブラジル和歌山県人会会長 谷口ジョゼー眞一郎

 

谷口会長

谷口会長

 和歌山県人会ブラジル移住100周年記念式典にご参加して下さって、誠に有難うございます。

 和歌山県から世界へ移住した県民は第2次世界大戦前がおよそ31万人で、戦後がおよそ2千人であります。そのうちブラジルに関する和歌山県の移民者送り出しは1908年の笠戸丸より8年送れて開始され戦前戦後を通じて1600家族、人数は6千人と推定されています。

 初代の移住者は皆、誰一人残らず、過酷な生活を挑まなければなりませんでした。先ず慣れていないポルトガル語の壁、それから異なった食文化と習慣など、それに加え、最低的な住宅に余儀なく暮らし、数多く犠牲者を残した熱帯地であるこの国の風土病のマラリアなどを問わず、毎日自分らの経済的独立の夢を目指し、朝から晩まで夢中に働きました。

 皆同じく金を儲けて繁盛する夢を抱えながら一生懸命努力しました。中には繁盛して故郷に錦を飾る者もいました。和歌山県移住者の中に偉大な人物もいました。そのうちの松原安太郎は戦後、当時ブラジル共和国の大統領ジェッツリオ・ヴァルガスの友人となり、ドラードス近郊森林の譲歩を得て松原植民地を開拓しました。そこへ和歌山県から戦後移住した人々は幾多の困難を乗り越え、やがて出世しました。

 もう一人の実力者は竹中儀助でした。農業関係の商売で繁栄し、和歌山県人会の創立者でもありました。また、中井繁二郎もいました。彼は初代の和歌山県人移民として100年前サントス港に到着しました。サントスに在住し、幾隻の漁船を有し、漁業で繁栄しました。サントス日本人会の会長役も務めました。

 しかし、皆成功したとは言えないけれど、生き残った者は殆どブラジルで生まれた子孫を通して花を咲かせました。ブラジル人として生まれた彼らは親の弛まない努力によって支えられ、勉強しました。そし二世、三世は立派な成人としてブラジル社会に貢献するようになりました。

 けれども自分の幼い子を残し、他界した悲惨な最期を遂げたものも少なくありません。その中で「笠戸丸」初代移民「平野植民地」で起こったマラリア風土病の悲惨は有名です。また、シャガス感染病で命を落としたものも多いです。無縁仏として放置された遺体もかなりあったそうです。この異郷で過酷な運命で終えた彼らのため、心から尊敬し、ご冥福を祈る次第であります。

 現在、ブラジルに居住する和歌山県人の子孫はおそらく4万人位と推定しております。しかし、混血が進み、殆ど日本語を理解できず、日本文化に関心が薄い日系人も増加している昨今であります。それも自然と移り変る時代の影響であるのでしょう。せめて日本文化と伝統だけは守っていかなければならないと思います。和歌山県人会子弟の我らは、これから先も力を合わせ、出来る限り頑張らなければならないと思います。

 

功労者表彰

木原 好規

辻 誠也

100周年移住者表彰

中井 繁次郎

木下 満次郎

高名移住者表彰

 松原 安太郎

竹中 儀助

 100歳長寿者表彰

 奥山 育子

 80歳以上の高齢者表彰

 岡田 あさの

仲 美恵子

宮内 美智子

坂 美代恵

掛橋 千恵子

古藤 博見

猪野 ミツヱ

瑞慶覧 やよい

石井 愛子

高尾 はめ

青木 眞喜治

梅田 幸治

朝賀 玲子

広田 ユキ

木田 育代

西川 マチコ

中村 さかゑ

鈴村 良一

古川 高江

藤中 保子

三栗 チズ

松岡 みえ子

青木 礼子

高垣・前田すみえ

下西 愛子

田伏岡崎 禮子

古川 なりこ

西 文子

岡 裕

岡本 正三

林 千江

川田 千穂

玉置 笑子

堀田 フジ子

貝塚 晴子

岩本 秀雄

古田 キクオ

東岡 菊夫

山路 たみ子

内海 章子

宮下 詠加

湯原 ジュンゾウ

小西 和子

広井 菊子

前田 睦男

須崎 恵利

中根 スミコ

那須 孝子

上野 丈夫

須賀 得司

玉井 俊憲

須賀 厚子

山田 千賀

岩畑 公男

湯川 しげこ

西川 静子

岡 雪子

東尾 栄治

西尾 章子

小西 喜代巳

恩賀 雅夫

橋詰 眞八郎

西山 隆一郎

林 とみ代

永井 マリタ

須賀 幹夫

藤中 幸江

辻 誠也

野口 重明

宮下 静香

上野 ソノ子

木村 喬男

尾崎 豊子

鳥上 靖

那須 栄一

山路 フミコ

下本 八郎

西山 かずみ

橋詰 レイカ

鈴木 哲子

鈴木 トシロウ

笠間 悦子

下本 フミコ

谷口 広治

須賀 久子

出会 一男

坂本 登

前田 伸江

冨家 修

酒井 蘭子

岩本 玲子

須崎 幸子

浜口 茂夫

岩下 照美

下本 千枝子

木原 好規

 

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