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大耳小耳

 俳誌『朝蔭』456号が10月に刊行された。《子の学資欠かしてならぬ鰯買ふ》(小橋矢介夫)という親の苦心があってこそ、子はUSP入学生の1割を占めるまでに。《女流らの粧ひ清しホ句の春》(三原春風)にある「ホ句の春」は、本来は「ホ句の秋」で「俳句を詠みたくなる秋」という意味とのこと。思えば、ブラジルの春は、たしかに日本の秋だ。木の幹に直接、真っ黒な実がなるジャボチカバは南米原産。《黒真珠と讃へて買ひぬジャボチカバ》(杉本鶴代)もブラジルらしい作品。

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