ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》経済的理由での中絶は容認せず=最高裁の女性判事が却下

《ブラジル》経済的理由での中絶は容認せず=最高裁の女性判事が却下

ローザ・ウェベル最高裁判事(Fellipe Sampaio/SCO/STF)

ローザ・ウェベル最高裁判事(Fellipe Sampaio/SCO/STF)

 【既報関連】ローザ・ウェベル最高裁判事は28日、社会自由党(PSOL)とAnis―生命倫理研究所(Anis)が22日に提出した、妊娠6週間(請願当時)の学生、レベッカ・メンデスさん(30)の中絶を容認する仮処分を求める請願を却下したと、29日付現地紙が報じた。
 レベッカさんは2人の子持ちで、職も安定しておらず、経済的にも精神的にも出産できる状態ではないとしていた。
 この訴えは、PSOLとAnisが3月に提出し、妊娠12週までの妊婦への中絶許可を求めた「社会規範違反に関する意見書」の焼き直しだ。
 ブラジルでは、強姦による妊娠、出産が母体を危険にさらす場合、胎児が無脳症の場合にのみ、中絶が認められるが、最高裁は昨年11月、「妊娠3カ月までの中絶は犯罪ではない」との見解を出した。現在は、それに憤った中絶反対派議員らが「中絶を許可する基準の厳格化を」と、声を上げている。
 レベッカさんは奨学金を受けて法学部に通っているが、出産すれば仕事も学業も中断を余儀なくされ、彼女も2人の子供も産まれてくる赤ん坊も共倒れになってしまいかねないとしている。
 中絶反対の非政府団体「中絶のないブラジル」の会長レニーゼ・ガルシアさんは、職も紹介するし、赤ちゃんのケアもするとレベッカさんへの援助を申し出ている。

image_print