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シャペコエンセ=最終戦終了間際のゴールで勝利=自力で来年のリベルタ杯出場を掴む

全国選手権最終戦に勝ち、8位に食い込む大健闘を見せたシャペコエンセ(Sirli Freitas)

全国選手権最終戦に勝ち、8位に食い込む大健闘を見せたシャペコエンセ(Sirli Freitas)

 サッカー・ブラジル全国選手権1部リーグの最終節が3日に行われ、1年前にコロンビアで発生した飛行機墜落事故により、選手や監督、チーム関係者のほとんどを失ったシャペコエンセが、ホームでのコリチーバ戦に2―1で勝ち、全20チーム中8位に食い込む大健闘を見せた。
 選手や監督、チームスタッフのほとんどが事故で命を落とし、文字通りゼロからの再建となったシャペコエンセには、ブラジルサッカー連盟(CBF)もシーズン当初、「向こう3年間、全国選手権の成績に関係なく、2部落ちを免除してもよい」との特別規定を申し出たが、チーム首脳は気丈にもそれを拒否、温情措置を受けずに8位という好成績を収めた。
 ブラジルリーグ上位6位までのチームと、ブラジル杯優勝チームあわせて7チームは、来年のリベルタドーレス杯(南米各国上位チームが集い争う、大陸最高峰の大会)出場権を得るが、今年はグレミオが同大会で優勝しており、「前年の優勝チーム」として、来年のリベルタドーレス杯に出場するため、ブラジルからの出場枠は8に広がっていた。そのため8位のシャペコエンセは今年に引き続き、2年連続で南米大陸最高峰の大会に出場する。
 全国選手権最終節の行われる前の週に、事故からちょうど1年を迎えていたシャペコエンセは、1部残留争いで後のないコリチーバを、地元シャペコー市のアレーナ・コンダーに迎え撃った。
 試合では、1部残留に執念を燃やすコリチーバが前半14分に先制したが、シャペコエンセも同36分に同点に追いついて、シーソーゲームに。試合は勝敗がつかないまま、後半のアディショナルタイムに突入した。
 他の会場の結果から、コリチーバは引き分けでも残留が決まっていたが、アディショナルタイム4分にシャペコエンセが逆転ゴールを決め、劇的な勝利を収めた。
 終了間際のこのゴールはコリチーバの2部落ちと、シャペコエンセの来年のリベルタドーレス杯出場を確定させる運命的なゴールとなった。
 試合終了後、シャペコエンセの選手は、通常は怪我をした選手をフィールド外に運び出すためのカートに箱乗りになり、スタンドの観客と共に喜びを分かち合った。そのカートを運転していたのは、昨年の事故で右脚を切断するも、奇跡的に命はとりとめた元選手のジャクソン・フォルマンだった。
 劇的な決勝ゴールを決めたトゥーリオ・デ・メロは、「とても幸せだ。目標が達成できてほっとしている」と語り、ジルソン・クレイナ監督も、「チームは再建途上にある。1年前は悲しみに包まれていたこの場所も、今は喜びに満ちている。トゥーリオは最後に大仕事をやってのけ、我々をリベルタドーレス杯出場にまで導いてくれた」と声を弾ませた。(規)

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