JICA=クリチバに発電床を試験導入=音力や振動を電力に

握手を交わしたラファエル市長と速水社長(提供写真)

握手を交わしたラファエル市長と速水社長(提供写真)

 床面に発生する音や振動から電力を生み出す、日本の最先端技術がクリチバに―。国際協力機構(JICA)、音力発電会社(速水浩平社長)、クリチバ市の間で、10月9日、発電床を中心とする「エネルギーハーベスティング技術の普及」を目的とした協力協定が合意された。
 今事業は、政府開発援助の一環として、その趣旨に合致する中小企業の海外進出を支援することを目的とした、普及実証事業として行われるもの。今年度末にも、正式に合意が締結される見通しだ。
 導入されるのは、交差点において歩行者に自転車の接近を知らせる交差点注意喚起システム、自転車や歩行者の通行量及び進行方向を把握する通行情報調査システム、発電床による夜間歩道誘導灯システムの3つ。
 18年度下期から、交通量の多いセントロ・シギコ街の自転車道や、その周辺の歩道及び橋に試験的に導入され、その後、2年間に及ぶ有効性の実証確認が行われる。
 委託調査を受け持った(株)日本開発サービスの沢田勝義会長は「再生可能エネルギーなど新たな技術に強い関心を示しており、市政の要望と合致した」と語り、ラフェエル・グレガ同市長は、将来的な同社の工場設立への協力にも意欲を示しているという。
 音力発電会社は、06年の創業以来、進取気鋭の速水社長が技術開発に専念し、コクヨ(株)や大和ハウス工業(株)などの企業が製品化に出資することで事業展開してきた。
 なかには、敷地内に侵入者が踏み入れた瞬間に、警報が鳴る防犯センサーや、介護の現場でも活用が期待される高齢者の離床を知らせるセンサーなど、発電床を用いた様々な製品も開発されているという。
 沢田会長は「日本でも数少ない支援に値する技術型ベンチャー企業。その事業を助けるためにも、多くの方に発電床を使用した製品について知ってもらい、ブラジルでも事業を展開していければ」と呼びかけた。
 製品に関する各種問合わせは同社(sales@soundpower.co.jp)まで。