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クラブW杯決勝で分かれた明暗=セレソン入りのかかったジェロメルとルアン

高い期待をかけられたルアンだったが(Lucas Uebel/Gremio FBPA)

高い期待をかけられたルアンだったが(Lucas Uebel/Gremio FBPA)

 16日に行われたサッカーのクラブW杯決勝で敗れ、準優勝に終わったグレミオ。ただ、この試合は単にクラブの世界一がかかっただけの試合ではなかった。
 それはこの試合が、特定の選手にとっては、来年のロシアW杯のセレソン代表チーム)入りへの重要なアピールとなる試合でもあったからだが、そこでハッキリとその明暗が分かれてしまった。
 この試合で株を上げたのは、ディフェンダーのジェロメルだった。ここ数年、「ブラジル国内一のセンターバック」と称され続けている32歳は、たまにチッチ監督からのセレソン召集を受けていたものの、いつも控えに終わっていた。
 だが、セレソンで「4人目のセンターバック」がなかなか固定しない中、リベルタドーレス杯で堅実なプレーを見せ、チームを南米一に押し上げるのに貢献したジェロメルのセレソン入りを望む声はさらに高まっていた。
 そして、この日も彼の守備はさえていた。190センチの長身で、相手フォワード、それも世界最優秀選手のクリスチアーノ・ロナウドでさえ近づけない守備、さらにディフェンダー陣に呼びかけ、相手につけ込ませないようにリードする統率力は、試合を見た人たちから高く評価された。
 試合後、ネットでは「〃セレソンに呼ぶべき〃どころの話じゃない。今すぐレギュラーだ」「レアル対グレミオじゃなく、レアル対ジェロメルだった」「彼がいると、ディフェンダーというより、〃第2キーパー〃という感じだった」と絶賛が相次いだ。中には彼を、伝説を表す単語「MITO(ミット)」とかけて「ジェロミット」と呼ぶ人の姿も見られた。
 一方で評価を落としたのは、攻撃の要のルアンだった。リオ五輪ではネイマールやガブリエル・ジェズスと攻撃陣を形成し、金メダル活躍にも貢献。以来、評価が高かった24歳は、リベルタドーレス杯でもMVPに輝く活躍を見せ、近い将来の欧州競合入りさえ期待されていた。
 だが、この日のルアンは、同じブラジル代表でボランチのレギュラーでもあるカゼミロをはじめとしたレアルの選手たちの厳しいマーク攻めにあい、シュートどころか、ボールも思うように待たせてもらえない有様で、存在感を示すことさえできなかった。
 そんな状態のため、ルアンへの評価は散々で、ブラジルで活躍できなかった選手を罵倒するときによく使われる「ピポケイラ(ポップコーン売り)」との蔑称まで飛ばされていた。
 世界一をかけた晴れ舞台で分かれた明暗。チッチ監督の目にはどう映ったか。(17日付UOLエスポルテなどより)

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