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サンパウロ州海岸の汚染状況改善=衛生設備普及と少雨が影響

 サンパウロ州環境浄化技術公社(Cetesb)が毎週行う水質調査によると、同州海岸部では今年、1年を通じて海水浴に適した状態を保っていた海岸が41%あったと23日付エスタード紙が報じた。
 同公社が水質を観測している海岸は173カ所あるが、2013年は年間を通じて海水浴に適した状態だった場所が1カ所だけだった。だが、今年は状況が大きく改善。17日の検査でも、海水浴に適していなかったのは15カ所だけだった。
 同公社によると、海岸部の水質改善は、基礎的な衛生設備の普及と少雨が主な原因だ。強い雨は大気中の汚れを叩き落すだけでなく、表層土やゴミなどを海に持ち込む。夕立などで雨量も増える1月は水質が落ちる事が多いが、今年の1月は、海水浴が出来ないと判断された海岸は30%にも満たなかった。
 改善が最も著しいのは夏の間の海水浴客も多いバイシャーダ・サンチスタ(BS)地区だ。13年は1年中海水浴可能だった海岸が、70カ所中1カ所のみだったのに対し、今年は72カ所中22カ所に増えた。
 一方、結果がすぐには見えにくいが、確実に成果を挙げているのは衛生設備の普及だ。サンパウロ州水道公社によると、下水道整備に20億レアルの投資を受けたBS地区は下水道普及率が10年間で54%から78%に上昇。下水道普及率は北部海岸でも、30%から69%に改善した。1グラムの糞便は最大で100万の菌と1千の寄生虫をばら撒くとされ、糞便で汚染された水は、下痢などの消化器系疾患、肝炎や結膜炎などを招きうる。
 26日付フォーリャ紙によると、サンパウロ州海岸部では年末年始~カーニバルの治安確保のために国道や州道、市街地での巡邏活動用の人員を補強し、無人飛行機の導入も試みるという。無人機を投入するのはプライア・グランデ、グアルジャー、サントスの3市で、窃盗や喧嘩、水難に至るまでの監視活動を行う予定だ。

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