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9県人会が創立記念行事開催=うち4県は移住110周年も=母県と連携、準備着々と

 日本移民110周年の今年、岩手、山形、栃木、岐阜、愛知、鳥取、高知、熊本、鹿児島の9の県人会が創立周年行事を準備していることが本紙の調査で分かった。また、宮城、岡山、三重も節目の年を迎えるため、現在、記念行事を開催を検討している。各県人会は式典実行委員会を立ち上げたり、母県との連絡を密にするなど、本番に向けて着々と段取りを進めているようだ。

 岩手県人会(千田曠暁会長)は、8月26日に創立60周年と移住100周年式典をを行う。会場は同会館と同じトマス・ゴンザーガ街にある電気工組合ホール。今年は移住110周年にも当たり、母県から達増拓也(たっそたくや)知事や、岩手民謡協会のプロ歌手らが来伯予定。現在、日ポ両語の記念誌の作成を進めている。
 山形県人会(篠原俊巳)は創立65周年記念式典を行う。日程は10月中を予定しており、場所は未定。篠原会長が昨年9月に吉村美栄子知事と面会し、式典に招待した。今後実行委員会を立ち上げて本格的に準備を行う。
 栃木県人会(坂本アウグスト会長)は創立60周年式典を同県人会で行う。日程は未定。坂本会長は「50周年のときに福田富一(とみかず)知事は来伯している。今回もぜひ来てほしい」と熱望している。
 岐阜県人会(青山育夫会長)は、創立80周年・移住105周年式典を7月29日、広島文化センター会館で行う。古田肇(はじめ)知事もしくは神門(ごうど)純一副知事が来伯する予定。
 愛知県人会(沢田克巳)は創立60周年式典を9月9日に同会館で開催。大村秀章知事の来伯を予定している。
 鳥取県人会は創立65周年式典を7月24日に同会館で祝う。野川聡副知事ら慶祝団に郷土芸能「しゃんしゃん傘踊り」を披露する。
 高知県人会(片山アルナルド会長)は、創立65周年と移住110周年式典を7月22日、同会館で行う。慶祝団は同21日に「移民110周年記念式典」に出席。青年部がよさこいを披露する。
 熊本県文化交流協会(田呂丸哲治会長)は創立60周年式典を11月中に同会館で開催する。
 鹿児島県人会(上園モニカ会長)は創立105周年式典を7月22日、サンパウロ州議会で開催する。今年は移住110周年にも当たる。現在、三反園訓(みたぞのさとし)知事に来伯を依頼している。
 右記の内、岩手、高知、熊本、鹿児島は県民移住110周年にもあたり併せて祝う予定だ。
 他にも、沖縄県人会は県民移住110周年を8月に祝うことを決めている。大分県人会は留学制度50周年・研修制度40周年・創立66周年式典を9月29日、宮城県人会館で行う。母県からの慶祝団や県費が支給される研修制度に参加したOBらが出席する予定だ。
 宮城県人会(中沢宏一)と岡山県文化協会(根岸健三会長)は65周年、三重県人会(下川孝会長)は75周年の節目を迎えるが、現在、式典を行うか検討中。ただ、宮城は今年7月に村井嘉浩(よしひろ)知事が来伯することを検討しており、21日に日本祭り会場で行われる「移民110周年記念式典」への出席や、サンタカタリーナ州への訪問を予定している。


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 今年、滋賀県人会と徳島県人会が60周年、山梨県人会と愛媛県人会が65周年を迎えるが、記念行事を開催しないという。滋賀県人会(山田康夫会長)は、2020年にリオ・グランデ・ド・スル州との姉妹提携30周年が控えているため、今年は開催を見送るという。記念式典は県人会の「生命線」だ。まっとうな理由で延期する県人会は安心だが、とくに大きな理由がないのに10年ごとの大事な節目の式典ができない県人会には「大丈夫なのか?」と不安な空気が漂う。徳島県人会には何らかの形で張り切ってもらい、元気なところを見せて欲しいところ。

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