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ブラジリア=幹線道路で高架橋の崩落事故=再三の修繕勧告無視され=かつての未来都市も老朽化

事故現場のエイション。奇跡的に一人も犠牲者は出なかった(Dênio Simões/Agência Brasília)

事故現場のエイション。奇跡的に一人も犠牲者は出なかった(Dênio Simões/Agência Brasília)

 ブラジルの首都ブラジリアを走る、エイションこと、連邦直轄区道2号線(DF―002)の高架橋部分が7日の午前11時45分に落下したと、7日付現地各紙が報じた。
 エイションは、エイショ・モヌメンタルと呼ばれる、官庁街、最高裁判所、大統領宮などが立ち並ぶエリアを通る幹線道路と交差している。事故現場は、交差地点から500メートルほど南に離れていた。事故発生時も交通量は多かったが、奇跡的に、落下部分を走行中の車はなく、死傷者は出なかった。ただし、落ちた橋の下に停められていた車4台が潰され、橋脚の間のレストランも損傷した。
 連邦直轄区(DF)会計検査局(TCDF)は6年前に、事故現場の早急な修復工事の必要性を指摘していたし、エンジニア協議会(CRE―DF)も7年前に早急の検査要請を出していた。さらに半年前には建築士、エンジニア組合が橋のひび割れに注意するようにとの調査結果を発表するとともに、DF政府に対して注意喚起を行っていたが、何の手立ても取られなかった。
 事故直後、ロドリゴ・ロレンベルギDF知事(ブラジル社会党・PSB)は動揺を隠せず、橋に問題があるとの報告は受けていたことを認め、事故現場から瓦礫を取り除き、橋を再建するために140万レアルを特別支出すると約束した。
 同知事は、「就任以来、八つの橋の修復工事と六つの橋の補強工事を行ってきた。今回事故が起きた橋は残念ながら工事が間に合わなかった。ブラジリアはどこも老朽化している」と語った。事故現場周辺は19日まで閉鎖され、別の崩落が起きる可能性のある箇所のチェックと原因解明調査とが行われる。
 エイションは、全区間に渡って、ひび割れや水漏れ、コンクリートや鉄筋がむき出しになっている部分がある。取材に応じた消防隊員は、「1950年代の終わりに建てられたエイションは、どこの区間で事故が起きてもおかしくはない」と語り、地元の消防隊と防災局も、DF政府に対し、エイション全体の検分を要請した。
 ブラジリアでは2月4日にも、エイション近隣の210北地区、Cブロックの集合住宅で地下駐車場の天井部分が崩れ、車25台が下敷きになる事故が発生している。

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