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《ブラジル》黄熱病=ブラジリアで新たな感染者=南東部の感染はまだ拡大中

 連邦直轄区保健局が2月27日、1月にブラジリアで黄熱病の症状を呈し、現在は回復した男性が黄熱病に感染していた事が確認されたと発表したと2月28日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 男性は大統領公邸もあるグランジャ・トルト区で働いており、1月8~10日に最初の症状が出た。その前の15日間は連邦直轄区から出ておらず、域内感染例だ。黄熱病への感染は、連邦直轄区の中央研究所とサンパウロ市のアドウフ・ルッツ研究所での検査で確認された。
 連邦直轄区保健局によると、同直轄区内では、1月1日から2月27日までに黄熱病感染が疑われた患者が29人出ており、26人は感染していない事が判明したが、ブラジリアの男性1人の感染が確認された。残る2人はまだ検査中だ。
 なお、昨年からの統計では、連邦直轄区での黄熱病患者は4人で、域内感染者は2人。昨年12月に死亡した男性はジャルジン・ボタニコで感染した域内感染者だった。
 他方、サンパウロ州保健局は2月23日、17年1月以降の同州の域内感染者は246人で、死者は93人と発表した(サンパウロ市の域内感染者は5人で3人死亡)。同州の黄熱病感染者の半数はマイリポラン市、17%はアチバイア市で感染している。
 また、ミナス州保健局は2月27日、同州の黄熱病患者は264人、死者は96人と発表した。
 リオ州の情報は、2月21日現在の患者82人で死者37人以降、更新されてないようだ。
 南東部3州の患者数や死者数は連邦直轄区のそれを大きく上回っているが、2000年に黄熱病が流行した連邦直轄区では、予防接種率が86%で、南東部3州より格段に高い。ここ10年間に連邦直轄区で黄熱病感染が疑われた人は245人で、その前の10年間の268人より8・5%減少。予防接種を受けた人は、1997~2006年が240万人、2007~2016年は280万人で、16%増えている。
 黄熱病の予防接種の有効率は95~98%と高く、保健省は2月22日に、現在は義務化されていない南東部や南部、北東部の一部も含め、全国的な予防接種実施を提唱した。サンパウロ州の場合、昨年1月以降、黄熱病の予防接種による死亡例は3件報告されているが、予防接種による致死率は45万分の1だ。保健省は1月24日、ブラジルでの黄熱病による致死率は40・8%と高いから、ぜひ予防接種をと呼びかけている。

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