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トン・ゼーの生誕80年記念イベント 本人考案の楽器展示からコンサートまで

 ブラジル音楽界の「裏カリスマ」とでもいうべき鬼才ミュージシャン、トン・ゼーの生誕80周年の記念イベント「トン・ゼー80アノス」が、サンパウロ市のカイシャ(CAIXA)文化センターで14日からスタートする。
 「トン・ゼー」の名は、ブラジル音楽愛好家の間でも、通好みすることで有名だ。かの1968年にリリースされた、反抗する当時のブラジルの若者がビートルズなどの影響を受けて作り上げたアルバム「トロピカリア」。その参加メンバーは、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、ムタンチス、ガル・コスタと、歴史的に見て錚々たるメンツだが、実はその中に、地味ながらトン・ゼーの名前もあるのだ。
 それ以降、ゼーがブラジル音楽界の主役になることはない。だが、主役にはなれなくとも、「エストゥダンド・オ・サンバ」(1976)など、後年高い評価を受けたアルバムを発表。90年代末には、特別編集のベスト盤がアメリカをはじめとして全世界的に発売されるなど、国際的にも「知る人ぞ知る」存在となっている。
 そんなトン・ゼーは2016年に80歳を迎えた。そこで彼の郷里、バイア州のサルバドールでは記念イベント「トン・ゼー80アノス」が開催されたが、それが2年経ってサンパウロに上陸したことになる。
 このイベントでは、ゼーにまつわる関連物の展示や、2000年と2006年に公開された、彼を描いた2作のドキュメンタリー映画の公開、さらには、コンサートなどが予定されている。
 特に、イベント開始から間もない16日と18日にはコンサートが行われ、16日の分にはゼー本人も出演する。ただ、コンサートはいずれも詩の朗読が中心で、ゼーの歌は最小限に抑えられているという。
 また、展示物の中には、ゼー本人が作ったという、特殊な楽器なども含まれている。
 文化センターの開館時間は、火曜日~日曜日の午前9時~午後7時。入場は無料だ。(13日付エスタード紙より)

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