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ミツオ・ナカオ=限定珈琲で110周年に協力=曽祖父の思い紡ぐ日系四世

見本品を持参した中尾さん(中央)

見本品を持参した中尾さん(中央)

 親子3代で珈琲農園を続けてきた老舗珈琲ブランド「Mituo Nakao(中尾光男)」の3代目、中尾アンドレさん(29、4世)が、移民110周年の資金集めに協力を申し出た。
 5日、文協内のブラジル日本移民110周年祭典委員会(呉屋春美祭典委員長)を訪れたアンドレさんは、110周年のロゴマークと笠戸丸をラベルにプリントした限定「珈琲パック(250グラム)」を、最大で1万5千パックを同委員会に寄贈し、販売収益の全てを同委員会に寄付する意向を示した。
 アンドレさんによれば、曽祖父・増吉さんは18歳の時に第2回移民船「旅順丸」で渡伯した。苦労の末、全財産を売払って約30年後に帰国するも、不幸にも2年後に日本は戦争に突入。再渡伯を試みるも、今度はブラジルが日本の敵国として参戦し、困窮生活を送ることになった。
 同社の創設者である祖父・光男さんは、84年に聖州奥地から移転し、ミナス・ジェライス州パトロシニオ郡に土地を購入。同州の乾燥地帯で珈琲栽培を成功させた第一人者として知られ、183ヘクタールの広大な土地にアラビカ豆を栽培している。
 同社の珈琲は乾燥地帯で生育することによる芳醇な香りが人気の秘訣。同日、見本品として披露された珈琲パックは、裏ラベルに移民110周年や同委員会の概要が記載される等の改良が施された上、来週中にもまず5千個が納入される見通し。販売価格は未定だが15レアルほどとなる見込み。販売を通じて移民110周年の認知向上に広く貢献することが期待される。
 日系社会への協力に熱い思いを見せたアンドレさんに対し、菊地義治実行委員長は「アンドレさんは四世にして素晴らしい志を持っている。日系社会には隠れた立派な人が沢山いる。そのような若者を掘り起こし、次の世代に繋げたい」と意気込みを見せた。


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 ミツオ・ナカオ社は、ミナス・ジェライス州の乾燥地帯に3つの農場を経営しており、合計総面積は655ヘクタール、カツアイーアマレロ、ツピー、ムンド・ノーボなど多品種を栽培している。2013年から光男さんの右腕だった三男・オルランドさんが引継ぎ、農場内で栽培から収穫、焙煎、梱包までの一貫体制をセーラ・ネグラ農場に確立。現在、同社の製品は東洋街の日本食品店でも広く取り扱われている。寄贈される限定珈琲パックは日系団体などで取り扱われる予定。日系団体の方でどれだけ売り切る力があるかが問われそうた。

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