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女性判事のネット発言を法務審議会が調査

 14日に起きた、リオ市議のマリエーレ・フランコ氏殺害事件後にデマを流したリオ州地裁の女性判事に対し、国家法務審議会が事実関係の調査を始める▼治安部門への直接統治開始直後に、市議1期目だが、人種差別や性差別、警官の暴力などの摘発その他で活躍していたマリエーレ氏が殺された。この事件は世界中の人権団体の注目を集め、国連も厳密な捜査を要求した。だが、国連などが要求した捜査はマリエーレ氏の〃第1の死〃に関するものだ▼他方、問題の判事は「故市議は『人権運動の闘士だ』というが、彼女は麻薬組織関係者で、同州最大の犯罪組織コマンド・ヴェルメーリョの支援で当選したのに、約束を果たさなかったから消された」と中傷した。これは死者を鞭打つデマの一つで、故市議の遺族や支援者は証拠を挙げ、これらのデマを逐一否定している。遺族らにとって、このような中傷は〃第2の死〃に他ならない▼法務審議会は、件の判事が何の証拠もないデマをネット上に流した事を重く見、その他のネット情報についても調査するという。同判事が流した心無い発言の中には、「ブラジルはダウン症の人が教師になった初めての国だという報道を耳にした。社会統合という面では大いに賞賛するが、ダウン症の教師に一体何が教えられるのか」というものもあった。これに対しては、その教師本人が「皆が教養を持つべき事や他者を尊敬する事、一人一人が違う事など、多くの事を教えている。差別は犯罪だ」と反論して、多くの人の共感を呼んだ。被害者らの心情を汲みつつ、公正な判決を下すべき判事が偏った見方をする現実。この判事がどんな判決を下してきたのか、知るのが恐くなる。(み)

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