ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》北部、北東部14州で大停電=送電中継所のブレーカー落ちる=復旧まで7千万人に影響

《ブラジル》北部、北東部14州で大停電=送電中継所のブレーカー落ちる=復旧まで7千万人に影響

広大な国土を持つブラジルは送電網の設備も一苦労だ(参考画像・Marcos Santos/USP Imagens)

広大な国土を持つブラジルは送電網の設備も一苦労だ(参考画像・Marcos Santos/USP Imagens)

 ブラジル全国電力システム運営機構(ONS)によると、北部パラー州のベロ・モンテ水力発電所の送電網で21日午後に技術的な不具合が発生し、少なくとも3時間の間、14州で広域停電が発生。約7千万人が被害を受けたと21、22日付現地紙・サイトが報じた。広域停電は午後3時48分に、北東部の全9州と、ロライマとアクレ州を除く北部5州で発生した。
 「技術的不具合」はパラー州のシングー変電所で起きた。電流の大きさに耐え切れず、ブレーカーが落ちたのだ。ベロ・モンテ発電所からシングー変電所を経て、パラー、トカンチンス、ゴイアス、ミナスの4州をまたぐ、2100キロに及ぶ送電網は、昨年12月に稼動を始めたばかりだ。
 停電発生当時、変電所には3700メガワット(MW)の電流が流れてきていた。同変電所のブレーカーは4千MWまたはそれ以上の電流に耐えるものであるはずだったが、3700MWに達した時点で自動的にブレーカーが落ちたという。ONS総合ディレクターのルイス・バラタ氏は、15日間以内に原因究明調査を行うとしている。
 ベロ・モンテ水力発電所は、ロライマ州を除くブラジル全土の電力施設を相互接続する全国接続システム(SIN)に接続しているため、広域停電が起きた14州以外でも、中西部のマット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スール、ゴイアス各州と連邦直轄区、南東部のミナス、リオ、サンパウロ州、南部のパラナ、サンタカタリーナ州でも部分的な停電が起きた。
 州内全域が停電した14州は大混乱に陥った。大都市のレシーフェ、サルヴァドール、フォルタレーザ市などでは信号が動かなくなり、大渋滞が発生。サルヴァドールやレシーフェ市では地下鉄も停止した。自家発電装置を備えた空港では混乱が避けられたが、フォルタレーザ市の空港は一時的に機能が停止した。
 ブラジル北部の停電は午後8時までに全面復旧したが、ブラジル北東部では7割しか復旧しておらず、全面復旧は22日早朝だった。
 ONSのバラタ氏は翌22日、フェルナンド・コエーリョ・フィーリョ鉱山動力相らと共に参加したリオ市でのエネルギー政策会議で、「21日の広域停電は我が国の配電システムの脆弱さを示すものではないと確信している」と語った。
 だが、地元紙によると、国家電力庁は2月の時点で、シングー変電所までの送電網を担当するノルテ・エネルジアが23の改善命令を実施していない事を認識していたという。

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