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USP日本庭園=「200年に残る事業に」=移住者協会、資金協力呼びかけ

整備が進む日本庭園の様子

整備が進む日本庭園の様子

 【既報関連】ブラジル移民110周年記念事業の一つとして整備が進められる、サンパウロ州立総合大学(USP)構内にある日本庭園修復事業の資金協力をブラジル・ニッポン移住者協会(杓田美代子会長)が呼びかけている。
 同庭園は、故・下元健吉氏が初代会長を務めたサンパウロ花卉園芸同好会が造園し、67年に初来伯された皇太子同妃両殿下(現、今上天皇皇后両陛下)のご臨席のもとで開園。戦後移住50周年の03年に大規模な手入れが行われたが、管理が行き届いておらず荒廃が進んでいた。
 同協会は、昨年が開園50周年であったことから、昨年6月から整備に着手。池の堆泥除去作業や築山の整備、石類の再配置などを行ってきた。
 また新たなシンボルとして、コチア青年連絡協議会の有志により同園入口に棟門を新設しており、4月初頭にも完成する見込みだ。
 当初、同協会は再贈呈式に7月にブラジルをご訪問される方向で検討されている眞子さまのご臨席を強く希望していたが、お立ち寄りには困難が予測されるため断念。同大学が休暇に入る前の6月29日に再贈呈式を行う予定で進められているという。
 修復予算は14万5千レアルで、およそ7万レ以上がまだ不足しているという。
 杓田会長、大矢進貞副会長は「大学側では清掃や簡単な刈り込みはできても、プロの庭師でなければ、日本庭園独特の景観を守れない」と語り、「将来に渡って手入れしていくには、余剰金も必要。歴史に埋もれた日系社会の遺産を蘇らせ、移民200年に残るよう事業を行っていきたい」と協力を募った。

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