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リオ市警が積荷強盗の一味摘発=盗品の販売網も完備?

 リオ市警と同州検察局が4日、リオ市北部で積荷を盗んでは売りさばいていた強盗団を摘発し、7人を逮捕したと同日付現地紙サイトが報じた。
 検察によると、この強盗団は市内の麻薬密売組織と組み、2017年以降、積荷強盗を繰り返しては売りさばき、その利益を犯罪組織と山分けしていたという。
 この一味は、ピカ・パウ、ディッキ、フィカッピ、フルキン・メンデスといったスラム街(ファヴェーラ)の犯罪組織と手を組んでおり、盗んだ積荷を組織に横流しし、商店や露天商などに売らせるという方法で利益を得ていたという。
 今回出た逮捕状は12件で、4日昼までに7人が逮捕された。また、抵抗して死亡したメンバーも1人いるという。
 この一味の中では、積荷を盗むグループと、自分達が構築した販売網にどんな品があるかを知らせるグループなど、役割分担も出来ていた。
 検察によると、盗品は商店や、鉄道の駅周辺で働く露天商などによって売りさばかれ、強盗団が露天商に日当を払っていた例もあるという。
 また、トラックを襲う際、警備員の数などに応じて犯罪組織が機関銃などを提供した事を示す盗聴記録や、現行犯逮捕を免れるために警官などに賄賂を払っていた事を示す証拠もあるという。
 一味の存在は、犯罪組織からの通報も含めた複数の情報源によって明らかにされたといい、大豆油やマーガリンといった商品の取引内容を具体的に示す盗聴記録なども公開された。
 積荷や車両の強盗は、連邦政府による直接統治においても、重要案件の一つとされている。2017年は1万955台のトラックが積荷強盗の被害に遭った。リオ州市警は昨年の第1四半期にストを行ったため、被害車両はもっと多かった可能性もある。今年の最初の12日間の積荷強盗は281件で、1日23件の積荷強盗が起きていた計算になる。
 警察によると、積荷強盗とそれに伴う商品販売は麻薬密売組織の資金調達方法の一つで、狙われやすい品は、食品や飲み物、医薬品、電化製品、自動車部品だという。

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