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モジ秋祭り=110周年記念で「おもてなし」=移民受入れたブラジルに感謝=旬の農産品に人気集まる

鏡割りで開催を祝した関係者

鏡割りで開催を祝した関係者

 アウト・チエテ地域を代表する大祭典、モジ・ダス・クルーゼス文化協会(津田フランキ理事長)主催の「第33回秋祭り」が7日、同文協総合運動場で開幕した。ブラジル日本移民110周年を迎える今年のテーマは「おもてなし」――日本移民を温かく迎え入れたブラジルへの感謝を表わしたもの。秋晴れの空のもと開幕した同祭は今週末の14、15両日も合わせ、4日間でおよそ10万人の来場客を見込んでいる。

 「秋祭り」は豊作を感謝する収穫祭として始まり、地域を代表するフェスタに発展した。約140のスタンドが出展し、サンパウロ州日系社会ではサンパウロ市の県連日本祭り、マリリア市のジャパン・フェスタに次ぐ、第3番目の規模と言われる。
 7日午前10時、同運動場のやすらぎの塔では開拓先没者慰霊法要が執り行われた。本門佛立宗モジ隆昌寺のコレイア教伯、モジ西本願寺の清水円了主管が導師を務め、約70人が参列した。
 コクエラで始まった同祭は、同総合運動場ができた約30年前に当地に移転。最初に作られたのがこの慰霊塔だったといい、当時あった23植民地、会員1500世帯の数だけ石が積まれ塔が作られている。
 追悼の意を述べた山元治彦元会長は「プログラムには掲載されていないが、秋祭りで一番大切なのが慰霊法要。この日本の文化を守っていかなければならない」として先人の遺徳を偲んだ。
 今年のテーマに触れて「ブラジルに最高の〃おもてなし〃を受け、社会に分け隔てなく受け入れてもらった。何の劣等感もなく、日本移民はブラジル社会に羽ばたいてきた」として、「真面目、誠実に生きてきた文化を大切にすることが、亡くなった人への務めではないか」と語った。
 正午開始となった開会式には、津田理事長をはじめ、元市長の安倍順二連邦下議、安倍ジュリアーノ副市長、軍警第17大隊の上山久仁広アリー司令官ら地元で活躍する日系人が多数参席した。
 挨拶に立った津田理事長は、開催に尽力した関係者に謝意を述べ、「数カ月前から、お客さんを心からお迎えするために準備をしてきました。是非とも秋祭りを楽しんで頂ければ」と挨拶した。
 同文化協会の会長を約16年間務め、昨年に亡くなった中山喜代治氏について、「ここにはいないが、きっと秋祭を見守っているはず」と語り、妻リリアさんに感謝プレートが贈呈されると会場は総立ちとなり拍手に沸いた。続く挨拶でも中山氏を慕う出席者から惜しみない賛辞が贈られた。
 同市長は「団結や多大な努力で困難を克服し、この行事と伝統を守り活気ある日系社会を維持してきた」と賛辞を送り、「同祭は農業振興にも一役買っている」と高く評価した。昨年に州議会で31の観光関心都市の一つに選出されたことに触れ、地域における同祭の重要性を強調した。
 同祭では、農産品評会や即売会が行われ、旬を迎える柿やマスカット、サンロッケの葡萄酒など地域の特産品が注目を浴びていた。主要舞台ではミス&ミスター秋祭りコンテスト、秋葉コスプレ大会ほか、和太鼓や歌謡ショーなどのほか、活花や茶道のワークショップも行われる。
 14日は午前10時から午後10時、15日は午前10時から午後9時まで。問合せは、モジ文協(11・4791・2022)まで。

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