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ブラジル男子体操=著名コーチに性的虐待疑惑=40人もが被害を訴える

 体操男子ブラジル代表チームのコーチを務めた経験もある、フェルナンド・デ・カルヴァーリョ・ロペス氏が、4月30日に所属先のカトリック社会拡大運動クラブ(Mesc)コーチの職を一時的に解かれたと、4月30日~5月2日付現地各紙・サイトが報じた。
 ロペス氏は4月29日に放送されたTV番組の中で、15年にわたり、体操を指導していた青少年に対し、性的虐待行為を行っていたと批判されていた。
 Mescは4月30日に「昨日TVが報じた、当クラブの協力者、ロペス氏に対する嫌疑の重大さを考慮し、Mescは捜査が終了するまで、クラブの全ての活動から同氏が離れる事を決定した」と書面で発表した。
 ロペス氏はおよそ2年前のリオ五輪直前期に、同氏が以前指導していた当時9歳の選手の両親により性的虐待で告発されたことで、代表チームのスタッフから外されていた。この告発は、サンパウロ州市警、検察による捜査に発展していた。
 4月末のTV報道は、この少年の他、39人の元選手たちを訪ね、選手たちが匿名で被害を訴えている様子を放送した。
 放送された証言では、ロペス氏は何年もコーチである立場を利用し、体力測定、身体検査、練習などの際に、少年たちのトイレについていき、局部に触れたり、選手たちの眠る合宿所のベッドにもぐりこんだりしていたと語られている。
 ロペス氏は、TVによる電話インタビューで容疑を否認した上、「自分は潔白でやましいところは一つもない。告発者は法廷の場で私への嫌疑を証明しなくてはいけない」と語った。
 また、ロペス氏による性的虐待疑惑とは直接関係ないが、リオ五輪個人種目の床で銀メダルを獲得したジエゴ・イポリトが、少年期にフラメンゴ体操クラブ所属していた頃に性的な虐めを受けていたことを明かした。
 イポリトは、年上の選手やコーチが年の若い選手に性的虐待をする事は体操界では日常化しており、コーチも黙認状態だとしている。

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