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サッカーブラジル代表=33得点決めても声がかからない?=険しいW杯代表23人への道

ジョナス(Rafael Ribeiro/CBF)

ジョナス(Rafael Ribeiro/CBF)

 サッカーのブラジル代表のW杯のメンバー23人の発表は来週14日に行われる。ここでは、他の国ならば当然選ばれるだけの実績を残しながらも、ブラジルのレベルがあまりに高く、代表入りが難しい選手を紹介しよう。
 チッチ監督は23人中16人に既に内定を出し、それは既に一般にも公表されている。残る枠は7人だが、一説には、それもほとんど決まっていると言われている。

 他の国なら当然代表に選ばれるべき成績を残しながら、選ばれる確率は低いのがジョナス(ベンフィカ、34)だ。強豪ベンフィカのベテランストライカーの彼は、今季のポルトガルのリーグ戦で33点という圧倒的な得点数を記録し、得点王争いで断トツ1位だが、イングランド・プレミアリーグ優勝のマンチェスター・シティのガブリエル・ジェズスと、欧州チャンピオンズ・リーグ決勝進出の立役者のひとり、リバプールのフィルミーノでセンター・フォワードの席は埋まった状態だ。
 また、スペイン・リーグで14得点を記録したウィリアン・ジョゼ(レアル・ソシエダ)も、同じ理由で厳しい。彼は3月の親善試合で召集を受けたが、それはジェズスが怪我で欠場していたためだ。
 また、右ウイングではマルコン(ボルドー)、ダヴィド・ネレス(アヤックス)という逸材もいる。共に21歳で、前者はフランス・リーグで10得点6アシスト、後者はオランダ・リーグで14得点12アシストの大活躍だが、ここもフィリペ・コウチーニョ(バルセロナ)とウィリアン(チェルシー)が磐石だ。
 また、ルアン(グレミオ)も16年のリオ五輪で活躍し、昨年のリベルタドーレス杯でも南米最優秀選手に選ばれたが、チッチ監督からなかなか声がかからない。攻撃のポジションはどこでもこなせる器用な選手だが、同監督は、似たタイプのジュリアーノ(フェネルバフチェ)やタイソン(シャフタール・ドネツク)を重用している。
 14年大会ではフレッジやジョーといった2人の国内リーグ選手を招集したフォワードや攻撃型ミッドフィールダーは、今回は層が厚いため、ドゥドゥ(パルメイラス)やロドリギーニョ(コリンチャンス)、17歳の新鋭ヴィニシウス・ジュニオル(フラメンゴ)までチャンスが回ってくることは考えにくい。
 また、イタリアリーグでナポリを2位に押し上げるのに貢献しているアラン、フランスのモナコで「点のとれるボランチ」として安定した活躍を続けるファビーニョ、ドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンのベテラン・サイドバックのラフィーニャなども、召集が見送られ続けている好選手だ。
 またゴールキーパーも人材揃いだ。アリソン(ASローマ)とエデルソン(マンチェスター・シティ)の若い2人の台頭でしばらく悩む必要がなくなったこのポジションは、ブラジル国内にも好選手が目白押し。昨年の南米覇者グレミオの守護神でブラジル・リーグの連続無失点記録も持つマルセル・グローエ、常勝コリンチャンスを支えるカシオ、美技の数々でファンも多いヴァンデルレイ(サントス)やファビオ(クルゼイロ)、そしてスペイン・リーグでPK阻止数の記録を作ったにも関わらず、セレソン召集がないためにブラジルに戻って存在をアピールしているジエゴ・アウヴェス(フラメンゴ)。だが、彼らの中も選ばれたとしてせいぜい1人で、ゼロの可能性もある。
 14日の発表は、ここで名前のあがった選手たちの逆転招集があるかにも注目したいところだ。

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