ホーム | ブラジル国内ニュース | 《サンパウロ州スザノ市》非番の女性軍警が強盗を射殺=母の日前日、学校の前で=州知事は「女性軍警の行為は完全に正しい」と表彰

《サンパウロ州スザノ市》非番の女性軍警が強盗を射殺=母の日前日、学校の前で=州知事は「女性軍警の行為は完全に正しい」と表彰

事件翌日にマルセロ・フランサ、サンパウロ州知事(右)から表彰される、カチア・サストレ軍警伍長(左)(サンパウロ州政府)

事件翌日にマルセロ・フランサ、サンパウロ州知事(右)から表彰される、カチア・サストレ軍警伍長(左)(サンパウロ州政府)

 5月13日の母の日を翌日に控えた12日、サンパウロ市の隣のスザノ市で、母の日の催しに参加するために娘の通う学校を訪れた非番の女性軍警、カチア・サストレ伍長(40・軍警勤務歴20年)が、強盗現場に遭遇したため、携帯していた拳銃で発砲し、強盗を射殺する事件が起こったと、13、14日付現地各紙が報じた。
 事件が発生したのは12日の午前8時頃だ。スザノ市のジャルジン・ドス・イペス区、私立フェレイラ・マステル校の校門前で、母の日の催しのために集った児童や母親たちが開門を待っていたところ、銃を持った若い男が1人、児童や母親たちに接近した。
 現場はパニック状態になったが、強盗が幼児の手を引こうとした瞬間、7歳の娘と共に現場に居合わせたサストレ伍長がハンドバッグから素早く拳銃を抜き、強盗の胸部に発砲した。強盗はもんどりうって倒れた。伍長は、強盗の脚部も含め、合計3発発砲。強盗が落とした拳銃も素早く奪った。強盗が降伏の意思を示したため、強盗をうつぶせにさせた後、軍警に連絡して、救急車を呼んだが、強盗は搬送先の病院で死亡した。
 強盗の接近から、伍長の発砲、強盗の降伏までの様子は防犯カメラに映っており、インターネットなどで拡散され、大きな反響を呼んだ。
 事件翌日、母の日でもある13日、サンパウロ州知事のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)は、サンパウロ市東部にある、軍警サンパウロ市都市圏第4支署でサストレ伍長を表彰した。知事は蘭の花を贈りながら、「貴方は社会を犯罪の手から守るために全て正しい行いをした」として、彼女の勇気や俊敏性、警官としての技術を褒め称えると共に、撃った犯罪者のために救急車も呼んだことも強調した。
 同伍長は、「強盗は逆上しやすく、子供や母親、警備員に何をするかわかりませんでした。現場にいた人たち、母親、子供、私の娘や私の命を守る事だけを考えて行動しました。事件後に多くの人から受けた激励や賞賛の言葉に感謝します。私は市民の命を守るために軍警職に就いています」と語った。
 ただし、強盗をその場で射殺した軍警を翌日表彰した事に批判の声もないわけではない。「強盗に遭遇したら反撃すればよい」「強盗の命などとるにたらない」との考えを社会に広めてしまう懸念が指摘されると共に、警察官による殺人が、咋年は前年比1割増の943件と、2001年以来最大数となっている中、それを減らすように努めることが本筋ではとの批判も上がっている。
 フランサ知事は、「表彰は、母の日であった事、彼女の行為が極めて正確だったことから行われた。強盗が亡くなったことは理想的ではなかったが」と語った。

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