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美川憲一=満員御礼で初公演は大盛況=「しっかり生き抜いて」=語りと歌で日系社会激励

「生きる」を熱唱した美川憲一

「生きる」を熱唱した美川憲一

 【既報関連】WILL株式会社主催、サンパウロ新聞と藤瀬桂子事務所の企画構成による「第2回チャリティーコンサート・美川憲一 IN サンパウロ」が13日、文協大講堂で開催された。ブラジル日本移民110周年の節目を祝うのに相応しい、演歌界の大御所・美川憲一さんが初来伯した。正午、午後3時からの2回公演ともに満員御礼となり、大盛況のうちに幕を下ろした。

客席を隈なく廻って握手に応じた

客席を隈なく廻って握手に応じた

客席を隈なく廻って握手に応じた

 「いらっしゃいませ。どうも皆さん。コモ・ヴァーイ?」。気品溢れる群青色の衣装を身に纏い、代表曲の「さそり座の女」を歌いながら美川さんがさっそうと登場すると、熱気のこもった大声援が上がった。「二階席まで一杯で嬉しいわ。化粧を濃い目にしてきてよかったわよ」と独特の口調でさっそく会場の笑いを誘った。
 美川さんは10日に着伯し、忙しい合間を縫って、イビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑やこどもの園など日系福祉施設を慰問。「ブラジルで苦労し、頑張って力強くいきてこられた」と移住者やその子孫を称え、「日本では人情が薄れてきているけど、皆さん本当に優しくて、絆というものがしっかり伝わってまいります」と激励した。
 公演では全15曲を熱唱。歌の間に、その曲の当時の逸話を挟むなど人情味あふれる語りに、終始笑いが絶えなかった。

「さそり座の女」が流れると豪華な衣装で登壇した

「さそり座の女」が流れると豪華な衣装で登壇した

 遅れて着いた来場者を見つけると「あら、今いらしたの。大丈夫、席ある? 心配になっちゃうのよ」などと舞台から優しく声をかけていた。途中には舞台を降りて、客席を隈なく廻って丁寧に握手に応じていた。
 アブラッソ(抱擁)をした来場客には「いい匂いだったでしょう?」と冗談で返し、2階席の客の呼びかけには「そこまで行くと危ないからね」と機転を利かせた。「仏像じゃないんだからそんなに拝まないでよ」「握手も結構重労働なのよ」と笑いを誘っていた。

 美川さんの衣装にも注目が集まった。登場の際の衣装はオートクチュールで〃車一台〃に匹敵するほど高価なもの。「衣装負けする人もいるけど、私はぜんぜん負けないの」と語り、2回の衣装代えの度に豪華絢爛さに感嘆の声が上がった。
 美川さんは、紅白歌合戦に26回出場。90年代には小林幸子さんとの衣装対決は、その派手さと大掛かりな装置が年々過熱し、冬の風物詩として衆目を集めた。「お金はかかったけど達成感はあった。本当は仲がいいけど仕事のために、わざと口を利かなくすることもあったのよ」と笑い飛ばし、「北国夜曲」など当時の3曲を披露した。
客席を隈なく廻って握手に応じた その後、ご当地ソングの先駆けとなった「柳ヶ瀬ブルース」「新潟ブルース」「釧路の夜」の3曲の後、紫と金の煌びやかな衣装で再登場。シャンソンの名曲「愛の讃歌」を熱唱した。
 最後に〃何かを感じて欲しい〃と歌ったのが「生きる」。「いつか人生に幕を下ろすときが来る。それまでしっかりと諦めずに一本の道に向かって生き抜いて欲しい」と歌詞に込めた思いを明かし、「皆さんの心にどう響きますか。聴いて下さい」と迫真の表情で熱唱し、来場者の琴線を震わせた。
 美川さんから「綺麗に眉毛を描いている。女を忘れてないわね」と声をかけられた池本すみえさん(92、北海道)は、「素敵だったわ。男性でありながら、女性の仕草を上手く表わしている」と夢見心地で話し、娘・千草さん(55、2世)も「紅白でよく見ていました。握手までして頂き、生で見られて感激です」と笑みを浮かべた。


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ブラジル移民110周年委員会から感謝状が授与された

ブラジル移民110周年委員会から感謝状が授与された

 舞台の途中では、ブラジル日本移民110周年祭典委員会の呉屋春美祭典委員長、菊地義治実行委員長より、美川憲一さん、WILL株式会社の大倉満会長に対して感謝状が授与された。公演後、呉屋さんは「美川さんはとても面白くて、思いやりのある方。大盛況となったのは、その人柄に惹かれたからでは」と語り、「とても心に響くものだった。多くの人がその歌に励まされたのでは。今公演を主催して下さったWILL株式会社には本当に感謝しています」と謝辞を繰り返してした。

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