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サンパウロで同性愛者らに対する犯罪増加=17日は反LGBT嫌悪の日

 17日は世界反LGBT嫌悪の日(国際反ホモフォビアの日)で、同性愛者や両性愛者、性転換者、性や服装倒錯者に対する差別に反対を訴える日だったが、この日に報じられた報道によると、サンパウロ大都市圏では、LGBTに対する犯罪件数が上がったという。
 この日にグローボ局が報じたテレビ・ニュースによると、2016年はサンパウロ大都市圏でのLGBTに対する犯罪が50件だったのに対し、2017年は60件に増えたという。
 サンパウロ市警の不寛容犯罪対策課によると、33件が傷害罪で、24件が恐喝罪だったという。
 サンパウロでは2012年頃にLGBTに対する暴力犯罪が相次ぎ、社会問題化したことがあった。以後、沈静化していた印象があったが、近年はLGBTの保護に熱心だった労働者党(PT)の政権が政界腐敗と共に崩壊し、その反動で極右思想が強まりつつある。
 サンパウロは南米最大規模のゲイ・パレードが行われているところで、LGBT問題に関する理解は深い方だ。むしろ、問題なのはブラジル北東部で、同性愛に強い反感を示す地区ではリンチなどによる殺人事件も起きている。
 華やかな女装と中性的な歌声で近年一躍脚光を浴びている歌手パブロ・ヴィッタルはこの日、自身のインスタグラムに男性の姿で登場し、「(LGBT嫌悪の被害で亡くなった)天国のみんな、今どうしてる?」「次にあなたが被害者になったとしたら、最後の望みは何?」など、ファンにメッセージを送っていた。
 なお、この日が反LGBT嫌悪の日に選ばれたのは、1990年のこの日に、世界保健機構が同性愛を病気と認定するのを禁止した日であるためだ。(17日付G1サイトなどより)

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