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ペトロブラス総裁が辞任=最後まで価格調整方法擁護

辞意を表明したペドロ・パレンテPb総裁(José Cruz/Agência Brasil)

辞意を表明したペドロ・パレンテPb総裁(José Cruz/Agência Brasil)

 ペトロブラス(PB)総裁のペドロ・パレンテ氏が、1日朝、テメル大統領との会談時に辞表を提出したと同日付現地紙サイトが報じた。
 パレンテ氏の総裁就任は16年6月1日で、ラヴァ・ジャット作戦や、ジウマ政権のインフレ対策としての燃料価格固定などによってPBにあいた大穴を修復する事を最大の課題としていた。
 同氏就任後のPBは、傘下の企業の整理なども含めた改善策を採用。燃料価格についても、政府の統制は受けない事を前提に、国際価格や為替も見ながら小刻みに調整する方針を導入した。
 これらの策は奏功し、PBの財政状態は大きく改善。4年間続いた赤字も解消し、国内企業1、2位を争う状態に回復した。
 だが、ジウマ政権で燃料価格を抑制していた後の小刻み調整は、一部国民からインフレ以上の調整と受け止められた。5月21日に発生し、国内外に大きな影響を及ぼしたトラック運転手のストは、ディーゼル油価格値下げを要求して起こされたものだったが、パレンテ氏は調整方法の変更はないと答え続けていた。
 この様子に変化が起きたのは、ストが長引きそうな様相を見せ始めた5月23日夜、15日間、ディーゼル油価格を凍結し、10%を割り引くと発表した時からだ。
 パレンテ氏は政府からの介入はないと強調したが、市場ではPBの独立性が侵されたと見られ、24~28日に株価が急落。この時点で時価総額は3分の1近く落ちた。5月29日には一度持ち直したが、30日は再び小幅の下落。1日の辞任表明後の株価は21%下落し、午前11時50分頃に取引停止となった。
 PB株の取引は正午過ぎに再開され、多少持ち直したが、午後1時現在のPBの時価は2157億レで、5月16日に記録した今年の最高額3888億レより1730億レも縮小している。
 パレンテ氏の後任はPB内部から選ばれる予定で、1日に招集された経営審議会で検討中だ。
 なお、パレンテ総裁の退陣や燃料価格の値下げなどを要求し、5月30日午前0時から始まったPB職員らのストは、罰金額引き上げ(50万レ/日から200万レ/日へ)などもあり、31日に実質終了。同日午後にはPBが、95%は職場復帰と発表した。最後までストを行っていたミナス・ジェライス州の職員らも、パレンテ氏辞任後にストを解除した。

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