カワサキ・モトレス・ド・ブラジル=10周年記念式典で新車発表=中大型車で累計6万4千台超=7月からZ900RS新発売

10周年に感謝を述べる安武社長

10周年に感謝を述べる安武社長

 カワサキ・モトレス・ド・ブラジル社が設立から10周年を向かえ、サンパウロ市ヴィラ・ブルー・ツリーで7日に記念イベントを行った。イベントでは新車Z900RSの発表のほか、和太鼓グループ「生」、ブロッコとカポエラの「ドリー・パーカッション」が打楽器共演を見せるなどして来場客を楽しませた。

 同社はブラジル日本移民百周年の2008年に設立。翌年にはマナウスに組立工場を設立し、中大型二輪車専門で製作・販売を行なっている。
 スーパーバイク世界選手権で2015年~今年まで3連覇を記録したZX―10Rなどを09年から販売開始。高級車のみに関わらず、10年には全車種の総生産台数が1万台に達した。その後も新車発表などブラジルのバイクファンを喜ばせ、今年までの累計生産台数は6万4千台を越えた。
 式典で安武敬二社長(46、福岡県)から同社の設立から現在までの歴史が紹介された。今年が日本移民110周年であることに触れ、「2国の110年以上に渡る関係を礎に当地で多大な苦労をされた方々に感謝しながら、日本のメーカー、ブラジル企業としてブラジル社会に貢献したい」と語った。
 来伯した川崎重工本社の堀内勇二執行役員は同社の歴史を紹介し、当地の中大型市場で川崎モーター社が10年活動していることに感謝を述べ、「ブラジルでは二輪市場の成長が期待できるため、川崎としても魅力的。これからの発展への支持をよろしくお願いします」と語った。

発表されたX900RS

発表されたZ900RS

 来賓らで鏡開き、太鼓ショーとなり、「生」とドリー・パーカッションが交互に演奏した。演奏にあわせたカポエラ舞踊なども披露され会場が盛り上がる中、ブラジルバイク生産者協会(ABRACICLO)の執行取締役ジョアン・エドゥアルド・ラモス・ゴンサルヴェス氏が乗ったZ900RSが、太いエンジン音を響かせながらステージに登場。来場客から盛大な拍手が贈られた。
 このZ900RSはカワサキ車の特徴である並列4気筒の948ccのエンジンを搭載。デザインは70年代に北米市場向けに販売されたカワサキ・Z1型を彷彿とさせるどこか懐かしい「レトロ」な外観となっている。7月1日に販売開始予定、価格は4万8890レ。

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 カワサキ・モトレス・ド・ブラジルの式典会場には、会社を象徴するライム・グリーン色のカーペットが敷かれ、同社社員も黒のスーツに緑のネクタイで揃える演出も。式典中にはTシャツや帽子などの服飾製品の販売も発表された。Z900RSの「レトロ」な外観を意識し、服飾製品も親しみのあるデザイン。こちらは7月の2週目に販売を予定している。周囲のカワサキファンへのプレゼントとしても良いかも。