横浜海外移住資料館=日本でも110周年企画展示=在日ブラジル人の歴史紹介

開会式の様子

開会式の様子

 JICA横浜の海外移住資料館(神奈川県横浜市中区、朝熊由美子館長)と在東京伯総領事館(ジョアン・デ・メンドンサ・リマ・ネト総領事)が16日午後、ブラジル日本人移民110周年を記念し、企画展「日伯110年の絆―在日ブラジル人 在日30年をむかえた日系人の歴史と日常」の開会式を行なった。式典には約100人が来場し展示会の開催を祝った。
 来賓としてネト総領事らが出席し、在日外国人の大学進学を後押しするNPO法人ABCジャパンのミチエ・アフソ理事長にリオ・ブランコ勲章の授与も行われた。
 同企画展示は1990年代の在日日系ブラジル人の困難や母国への郷愁を抱える日常を再現、また日本で活躍する日系ブラジル人を在日日系ブラジル人の写真家、マエダ・ジュニオールさんの写真で紹介している。
 ほか、入管法改正当時のパスポートや新聞雑誌なども展示され、伯移住110周年の歴史と在日日系ブラジル人の30年を振り返ることができる。
 また、日本のポ語雑誌「Alternativa」編集長のエヴィルトン・トバセさんが同日発刊した著書『1991』の無料配布とサイン会も行われた。
 同企画展示は9月2日まで。7月8日午後2時から午後3時半までは同ビル1階の会議室1で公開講座「在日30年の体験から見たブラジルと日本」が行なわれる。講演者は90年に来日した斉藤俊夫さん。95年に人材派遣業などを手がける事業法人を設立した後、農業ビジネスにも参入し日本国内最大の深谷ネギ生産者として成功を収めている。
 斉藤さんは在日ブラジル人学校「ティー・エス学園」を創立したほか、2011年の震災では自家用バスで避難所を回り被災ブラジル人を支援した。講演では在日ブラジル人の現状や、抱えている課題、在日ブラジル人コミュニティの存在意義などについて語る。
 開館時間は火~日曜の午前10時から午後6時まで。最終入館は午後5時半まで。入館無料。