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マリト次期大統領次々に会談=両大洋連結回廊など近隣元首と=パラグァイ在住 坂本邦雄

就任前からプーチン露大統領とも会談したマリト次期大統領(Foto Kremlin)

就任前からプーチン露大統領とも会談したマリト次期大統領(Foto Kremlin)

 去る4月22日に全国総選挙において、パ国第57代目の大統領に当選したマリオ・アブド・ベニテス氏(46、愛称「マリト」)は、現政府と合意の政権交代の準備委員会を設置し、来たる8月15日の就任式に向けて、用意万端を整えつつある。
 その一環として、これからの同僚となる、チリのセバスティアン・ピニェラ大統領とサンティアゴ市で面接し、エネルギー協力、自由貿易協定の推進、地域統合政策、両大洋連結回廊コレドール・ビオセアニコやパラグァイの政治情勢等、複数の重要テーマついて3日に話し合った。
 両者の面談は、政庁ラ・モネーダ宮殿で正午に行われ、副大統領及び外務大臣に夫々就任予定の、ウーゴ・ヴェラスケス並びにルイス・カスティグリオニ各氏が同席した。
 AFPとEFE各通信が報じた、チリ大統領府のコミュニケによれば、ピニェラとマリト会談の中心議題となったのは、即ちエネルギー統合政策、両国経済・貿易関係の強化及び地域政情に関する懸案事項だったと言う。
 なお、話し合われたテーマは遅延する、両大洋連結回廊(コレドール・ビオセアニコ)の工事促進の重要性と同じく、同チリ大統領府のコミュニケは自由貿易の強化の必要性を強調した他に、地域周辺の政治体勢に触れた。
 一方、マリトはツイッターのソーシアル・ネットワークで、「両国の統合強化の重要性に言及し、8月15日の就任式にはピニェラ大統領を招待した」、と発信した。

▼カルテス大統領に触れたピニェラ

 会談の一時において、ピニェラ大統領は、「カルテス大統領は近頃は如何されていますか?」と次期大統領マリオ・アブド・ベニテス氏や随行者達に尋ねた様子は、チリ大統領府が流した短いビデオテープで見られた。
 ピニェラは、昨年12月の赤党公認のサンティアゴ・ペーニャ大統領候補が、カルテスの強力な推薦にも拘わらず、赤党候補立候補戦でマリトに惜敗した事に触れたのだった。
 これに対しマリトは、2015年の赤党選挙で自分は破れたが、次には大統領総選挙に立候補し、10パーセント以上の差に相当する57万票を得て当選した次第だと、マリトは応じた。
 ちなみに、今回のマリトのピニェラ大統領訪問は、4月22日の大統領当選後、五回目に当たる外遊で、昨晩帰国した。
 これまで既に、ミチェル・テメル(伯)、マウリシオ・マクリ(亜)、ウラジミール・プティン(露)及びウルグァイのタバレー・バスケス各大統領を順次訪問した。

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