サンパウロ市=クラコランジアでまた騒動=麻薬常用者たちの不満つのる

 19日午後、サンパウロ市中央部クラコランジアで、清掃員と麻薬常用者の間で対立が生じ、常用者らがバリケードを築いてそれを燃やすなどの騒動が起きた。19日付現地紙サイトが報じている。
 事の発端は、市役所が派遣した清掃員たちとクラコランジアの麻薬常用者たちの間でのいさかいで、市警備隊員たちが清掃員側に肩入れしたのに腹を立てた常用者たちが投石を行うなどの暴力的な行為に出た。
 常用者たちはさらに、リオ・ブランコ大通りに近いアラメダ・バロン・デ・ピラシカバにバリケードを組み、それに火をつけて燃やすなどの危険な行為に出た上、混乱に乗じて、付近に停まっていた車の運転手たちの所持品を盗もうともしたという。
 この混乱で、同地区にある市警備隊の駐在所が壊され、1人が現行犯逮捕された。
 クラコランジアでは、ハダジ市長(2013~16年)時代に麻薬常用者更生プログラムが導入されるなど、社会統合への取り組みがなされているが、麻薬常用者が同地区の公園などにたむろする状況はあまり改善されておらず、麻薬密売の取り締まりや他に移動させようとする動き、清掃時に邪魔者扱いされることなどに腹をたてた常用者と市警備隊員らの衝突も繰り返し起きている。