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韓国文化院が4日オープン=最新技術の常設展示が魅力=VR展示や韓国文化の教室も

受付には開設祝いの花が置かれている

 韓国政府は同国の現代文化を発信する広報施設「韓国文化院」を4日に、サンパウロ市パウリスタ大通り(Av. Paulista, 460 – Bela Vista)に移設オープンした。同施設は2013年にサンタセシリア区に開設したが、ブラジルとの外交樹立60周年を記念、及び韓国文化の普及を進めるために移転。同じ通りには、日本政府が開設したジャパン・ハウスが並ぶ。同じ東洋文化の発信拠点である同施設の様子を早速見てみた。

入口付近に設置された竹細工のオブジェ

 新しい韓国文化院は、メトロのブリガデイロ駅からパライゾ方面の階段を上がってすぐにある好立地。一見すると普通のオフィスビルのような施設で、入り口に置かれている韓国人彫刻家ユ・ヨンホ氏が制作した「グリーティングマン(挨拶をする人)」が目印だ。
 入り口右側には竹細工の置物が置かれ、1階では展示や発表ができるスペース、料理教室の部屋も。展示会場では現在、「非武装地帯の現実(Real DMZ)」という企画展示を開催中。その奥には、鏡張りの壁の前でK―POP教室が開催され、プロの韓国人ダンス教師が大勢のブラジル人の若者を指導していた。

1階スペースの企画展示会では「非武装地帯の現実(Real DMZ)」を展示

 2階は図書館になっており、ポルトガル語と英語で書かれた韓国の本が並ぶ。ところどころに、韓服(韓国民族衣装)の人形など、文化を紹介する置物も。ここには韓国の最新技術文化も常設展示されており、在ブラジル韓国人やブラジル人が楽しそうにK―POPを視聴する姿が目についた。
 さらにVR(仮想現実)を体験できるコーナーも設置されている。VRゴーグルを付けて、まるでそこに行ったかのように韓国の観光場所を巡ることができる。これにはブラジル人がこぞって体験しようと集まっていた。
 奥には、自分の名前をアルファベットで書くと、それを自動的にハングル文字に変える文字変換パネルや、人形をiPadで読み取ると映像が出てくる最新技術なども展示されていた。
 同施設では、韓国文化を学べる教室も開設。K―POP教室、テコンドー、韓国語、料理なども学ぶことができる。


□関連コラム□大耳小耳

 韓国文化院の正面に設置された韓国人彫刻家ユ・ヨンホ氏が制作した「グリーティングマン(挨拶をする人)」は、韓国紙によれば韓国、ウルグアイ、パナマ、エクアドルにも設置されており、ブラジルで5つ目。青緑色は「最も中立的で人間本然の姿に近い色」、お辞儀は「和解と平和を意味する」とされ、同施設のクォン・ヨンサン院長は「韓国文化の幅と深さをブラジル国民に紹介する象徴になるものと期待している」と話したという。 だが説明が書いていないため、耳子が初めて見た時は何の像なのか首をひねってしまった。ちなみに韓国のネット上では「裸体像で罪人みたい」と不評の声も。せめて説明文を付けるべきか?
    ◎
 ジャパン・ハウスが開設された時には、「今の日本を見せる」と息巻いていた日本政府。ところが実際の企画展示には、「これが今の日本?」と疑問に思うものも。例えば、以前の「犬のための建築」展には、日系社会、駐在員、日本人観光客を問わず何人もから「これが日本文化だと思われるのは恥ずかしい」という声を聞いた。一方、韓国文化院は常設展示にVRコンテンツなどの最新技術を置いており、よっぽど技術の高さが伺える。JHの来館者数が150万人を超えたのは立派だが、その数字にあぐらをかいていて良いのだろうか。もっと最新技術を駆使した、「今の日本」を伝える常設展示をしてみたら?

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