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あなどれない口臭=口元から対人関係改善=病気や服用薬に起因も

健康広場

2006年5月17日(水)

 お口の臭い、気になりませんか? 社会の一員として生活する以上、人との付き合いは避けて通れない。仕事でも私生活でも、対人関係をうまく築いていきたいところだ。相手に不快な思いをさせるものの一つに、口臭がある。口腔内の衛生のほか、内臓の病気や医薬品の副作用などに起因しているおそれがあるため、注意が必要だ。
 「人間関係をよくするには、対話が必要でしょう。それで口臭が悪影響を与えないか、不安がる人が増えてきた。特に、女性が社会進出にともない、悩むようになっているようです」。
 日伯友好病院の南利実元院長(援協総合診療所内科医)は「口臭が軽くみえて、実は重い問題なのだ」と強調する。
 口臭とは息を吐く時に出る、不快な悪臭のことだ。多くは本人が気付かないでおり、周囲の家族らが心配して、医者に訴えてくるという。
 神経質になりすぎて他人との接触を避けたり、発話する時に口に手をあてるくせがついている人も。重症化すれば、心の問題に発展しかねない。
 「本当は臭いがひどくないのに、苦しんでいる患者が少なくない。まぁ、この場合はいろいろ説明することで、八〇%が納得してくれるんですが」。
 原因のほとんどを占めているのは、歯槽膿漏(のうろう)などの歯周病や虫歯、食事の食べかす、歯垢、歯石、舌苔による口腔内の汚染、不潔な義歯による口腔内自浄作用の低下。
 南元院長は「口の中には、バクテリアが存在。タンパク質の代謝に必要なものですが、乾燥などで増殖してしまうと、臭いが激しくなる」と、メカニズムを解説。口腔内をいつも清潔に保つよう勧める。
 歯牙、歯周組織に生じた炎症性の反応が起こると、血球成分、上皮細胞などの含硫アミノ酸に脱アミノ反応を併発。揮発性硫化物である硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの臭気物質が発生する。
 (1)慢性副鼻腔炎(2)慢性扁桃炎(3)胃酸分泌障害(4)気管支炎(5)慢性肝炎(6)肝硬変(7)糖尿病──など、病気が口臭のもとになるおそれがあるため、あなどれない。抗うつ剤などの副作用で口腔内が乾燥して異臭を発生させることも。
 「治療が必要な臭いがあるかの診断は簡単です」と南元院長。専門の医療機器があり、希望すれば自己診断も可能だ。
 南元院長が内科医として、予防の基本に挙げるのは衛生の維持。(1)歯をよく磨く(2)よくかんで食べる(3)水分をよく摂取すること。毛先の柔らかいブラシで、舌もみがいたほうがよいという。 

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