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俳句

ニッケイ俳壇(881)=富重久子 選

セザリオ・ランジェ  井上人栄

極暑とはこんな事かやカアチンガ
カアチンガ中に葡萄の畑あり

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ニッケイ俳壇(880)=星野瞳 選

サンパウロ  林 とみ代

不況の世のサンタクロースの吐息かな
汚職して国は破産に年果てる
大胆な愛のいれずみ夏の肌
マニフェスト盛となりし聖市かな

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ニッケイ俳壇(879)=富重久子 選

ポンペイア  須賀吐句志
労はりの言葉をそへて御慶かな
【新年の祝辞「御慶」は、おめでとうございますという、とても優しい佳い言葉である。
 この句はその言葉の次に、きっと自分より年上の親しいお年寄りに「おめでとうございます。ようこそ、お元気でよいお正月を迎えられましたか?」と優しい労わりの声をかけられたのであろう。平坦でありながら優しさの込められた、しみじみ心に染む俳句である】

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ニッケイ俳壇(878)=星野瞳 選

アリアンサ  新津稚鴎
万緑に滝白刃となり落下
ダムに出て棉消毒の飛機返す
雲の峰育つ牧場を傾けて
草虱とりつつ泣いてゐるらしく
一の斧二全山の露こぼれけり
蟇鳴くや死ねば家系もなき移民

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ニッケイ俳壇(877)=富重久子 選

サンパウロ  大原サチ
タツー潜む土盛り上げて黍畠
【「タツー」を一度見た事がある。お手伝いさんが、ノルテの実家に休暇で帰っていた時の土産に、このタツーを持ってきた。勿論死んでいたが硬い甲羅があって痛々しかった。食べられるとの事であったがとてもとても。
 タツーの生態を見た者でないと詠めない、動物の貴重な一句であった】

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ニッケイ俳壇(876)=星野瞳 選

   アリアンサ         新津 稚鴎この移住地に果つる運命の暑に耐ふる日本の夜となるを待ち初電話掛乞や仏頂面は生まれつき恐竜より進化せしこの羽抜鶏【作者は百才を迎えた。この二十三日のニッケイ紙に、寿命百才時代の生き方てふ記事があったが、稚鴎さんは俳句をひたすら作る生き方をされるであろうかと思う。第二句集を出されたばかりで ...

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ニッケイ俳壇(875)=富重久子 選

   サンパウロ         串間いつえ読み尽す新聞二紙や寝正月【「寝正月」とは、忙しい年末の仕事も終 えて新年になり無精寝をすることであるが、ブラジル語ではそんな言葉も聞かないし、こちらは日本のような新年の手の込んだ正月料理をつくったり、新年の来客を迎えたりという事もあまり無く、堅苦しく無いので楽である。 この一句、普段は ...

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ニッケイ俳壇(874)=星野瞳 選

アリアンサ  新津 稚鴎

原始林の深き眠りや初明り
河へだて牛啼き交わす夕立晴
色褪せし旱の蝶のとぶばかり
木々芽吹く息吹に昿野霞む日々
日盛りを来し顔冥く火酒あふる

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ニッケイ俳壇(873)=富重久子 選

リベイロン・ピーレス  中馬淳一

ささやかに生きてつつまし晦日そば
万燈の電飾夜空パウリスタ
除夜花火終れば空はもとの闇
年毎に除夜の鐘聞くテレビ前

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国民文化祭・かごしま2015「鶴のまち俳句大会」

【(公社)俳人協会賞】
一日の汗の重みの野良着脱ぐ    百合由美子

【青野迦葉選 特選】
頷けぬ心のあり処終戦忌      柳原 貞子

【上迫和海選 特選】
ブラジルの農婦に徹し大日焼    百合由美子

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