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短歌

ニッケイ歌壇(515)=上妻博彦 選

グァルーリョス  長井エミ子

あかときの霜置き積もる夏草は冬の来たるを黙して知りぬ
霧深く山家の小径ほの白く棒と化したるバッタのむくろ
人間は面白いかと老犬はプッカリコンと白雲飛ぶ日
明け暮れは十匹越える犬どちとそれも良きかな娘の婚家
おだやかに月日流ると言はねども汝のそびらの柔らかになり

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ニッケイ歌壇(514)=上妻博彦 選

サンパウロ  梅崎嘉明

九州の地震たえぬを憂う吾に孫は「日本沈没するよ」
日本の地下は空洞なのだよとまことしやかな孫の言説
よそ国のこととて風説ほしいまま広がりて孫の言説自在
小説に「日本沈没」なりしこと思い出しつつうべないて聞く
いますぐに沈没はなし将来のことは気にせず今日を生きよう

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ニッケイ歌壇(513)=上妻博彦 選

      サンパウロ      水野 昌之亡国の汚職と不正にまみれたるジウマの政権崖っぷちに立つ土壇場なお強気の女大統領連立与党の三下り半受く大統領の休職議決の一瞬を国民待てり真夜中過ぎても贈収賄のすさまじかりし政界にとどめ刺すかに検察動く収賄で騒がれ果ては逮捕され道連れ増やす司法取引  「評」時事詠、国とは民、その代辯者達の ...

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ニッケイ歌壇(512)=上妻博彦 選

      サンパウロ      武地 志津なお続く地震活動見舞う雨土砂災害の不安は消えず土地ずれて畠触れぬと農民の苦悩の表情ただに痛まし駆けつけしボランティアの人々ら散らばる瓦礫順次片付く水道電気ガスと息つく暇もなく励む復旧作業員は水にガス復旧成りて表情のふっと和らぐ避難の民ら  「評」髪をととのえてくれる人も現れた、櫛と鋏と ...

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ニッケイ歌壇(511)=上妻博彦 選

      バウルー       小坂 正光二十歳にて人生の目的何ぞやと求道青年宗教書読破す宗教書全てを読めど青年は悟りに至らず断食をなす三度目の断食なすうち青年は心の内にひらめきを得る人生の悟りは愛行奉仕在りと悟るや青年喜びに満つ若き日の青年多く道求め難行苦行に入り行くなり  「評」小坂氏自身を客観視した作品群である。四首目に ...

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ニッケイ歌壇(510)=上妻博彦 選

      アルトパラナ     白髭 ちよ世界でも類なき大きなデモ行進おどろきて見入るテレビの前で斯く迄に人に嫌われし大統領ルーラを庇う愚かな行為リオ五輪まじかに控え此のさわぎジウマ罷免は世界にひびく日本人は些細な事でも辞任するブラジル人は大きな違い伯国に日系人の大統領現れいでよと吾は願いぬ 「評」明日の大国と聞きながら半世紀 ...

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ニッケイ歌壇(509)=上妻博彦 選

      サンパウロ      梅崎 嘉明ジカ熱媒介の蚊の撲滅に医学薬学新プロジェクト吸血の蚊は雌のみと発見し雌雄の行動を遺伝子に組む遺伝子に組みかえし雄を培養し交尾で生れし幼虫は死すとかブラジルのジュアレス市で実験し画期的なる効果を得しと新しく開発されし誘虫の「ブラックホール」は家庭に必須やがてくるオリンピックの観戦に「ブラ ...

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ニッケイ歌壇(508)=上妻博彦 選

サンパウロ  武地志津

窓枠に小鳥囀るしばしの間硝子にふたつの影を映して
塵(ちり)ほどの小(ち)さき蟻たち煩(うるさ)きと思いおりしに消えれば気になる
絵手紙の面輪やさしき夫婦雛自(おのず)と心引かれて見入る

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ニッケイ歌壇(507)=上妻博彦 選

サンパウロ  武地志津
息子夫婦孫ら加えて六人の家族集えり大晦日の夜
手巻寿司馳走するとて余念なく下拵えに精出す息子
高層のビルの向こうに威勢よく上がる花火を孫らと仰ぐ

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ニッケイ歌壇(506)=上妻博彦 選

  サンジョゼドスピンニャイス  梶田 きよ本当を「ほんま」というのは京都弁ただなつかしくホンマかなこれ『談論風発』覚えし頃はうれしくてやたら使いし談論風発死ぬことに悲しみ覚えることもない年はとってものんびり作歌青天が三日も続く一月の動くともなき雲見つめおり『文春』にて色鮮やかな花街道眺めてあれば日本恋し車での花見の愉しさ見てあ ...

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