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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――

政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=最終回=森林再生に近道なし=日伯研究者の取組みは続く

7月31日(木)  大勢の人々を魅了する光沢に満ちたマホガニーの家具――。そんな高級志向が、アマゾンの破壊と密接な関係を持つ。  「マホガニーを国際取引規制の対象種とする」  昨年十一月、チリで開催されたワシントン条約締約国会議で、高級家具などに用いられることで知られるマホガニーが、国際的な保護を受けることになった。  年々悪化 ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第七回=荒廃地増えるマナウス=元の森林を回復するために

7月30日(水)  ベレーンから西に向かうこと約一三〇〇キロ。南緯三度、西経六十度にアマゾナス州の州都マナウスがある。約二時間足らずの空の旅の途中、窓越しに大地を覗き込むと、一面の緑と蛇行する茶褐色の川だけが視界に飛び込んでくる。  陸の孤島――。 かつてはアマゾン川河口にあるベレーンから、船での行き来しか手段がなかったことから ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第六回=魔のフザリウム病=防除法研究に光明

7月25日(金)  「日本の専門家が持つ研究手法と、熱帯地域の専門性を知る我々が一体となって研究することで、より大きな研究成果が出る」  EMBRAPAのアジウソン所長は、日伯両国の研究者によるプロジェクトの利点をこう語る。  実際、JICAの長期専門家とそのカウンターパート(共同研究者)の二人三脚による研究が、花を咲かせつつあ ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第五回=カトウ博士の遺志を継ぎ=小農に生木支柱栽培普及

7月24日(木)  「プロジェクトの中心だったあの人が亡くなったことは大きな打撃だった」  日本側のチームリーダーを務める石塚幸寿さんは、EMBRAPAにいた一人の日系研究者を今でも忘れることはない。  アルマンド・コウゾウ・カトウ博士。コショウ栽培が専門のこの日系二世は、自らが手がけた研究の成果を待たずに、二〇〇〇年八月にこの ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第四回=日系人は先駆者=環境と調和した農法

7月23日(水)  アグロフォレストリー。 農業と林業を有機的に組み合わせ、土地を複合的に利用するこの農法は、「持続可能な」システムの代表例として知られ、世界各地で実践されている。  森林を伐採したり、焼き畑をしたりして農作物を植えると目先の収入にはつながるが、やがて地力は低下していき、新たな森林を破壊せざるを得ない。だからとい ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第三回=アマゾン救う森林農業=小農の貧困から自然破壊

7月22日(火)  現在進行中の「東部アマゾン持続的農業技術開発計画」は、JICAが実施する「プロジェクト方式技術協力」に基づく。  活動拠点を相手国に置くことを前提に、①派遣した専門家の知識や技術をカウンターパートに伝達②カウンターパートの日本での研修③相手国への機材提供――といった三つの協力からなる方式で、事前調査や事後の評 ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第二回=前任2人は途中帰国=赤道直下の厳しい任務

7月19日(土)  日本政府が実施するODA(政府開発援助)のうち、JICAは返済義務のない二国間贈与の技術協力を担当。二〇〇〇年度までにJICAがブラジルにつぎ込んだ協力金は約八三〇億円で、世界でも六番目に多い。また、中南米では最大の享受国だ。  JICAがベレーンで実施中のプロジェクトが、「ブラジル東部アマゾン持続的農業技術 ...

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政府開発援助=ODAの現場を行く=――環境の世紀に――=第一回=100年でアマゾン消失?!=森林管理方法を模索

7月18日(金)  「ばらまきだ」「顔が見えない」との批判が耐えない日本政府のODA(政府開発援助)。また、最近ではODAを巡る汚職などが取りざたされたことなどからも、とかく暗いイメージが付きまといがちだ。日本国内ではもちろんのこと、JICAとは繋がりが深いはずの日系社会でさえも、日系社会以外でのODAの貢献ぶりを知る機会は数少 ...

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