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越境する日本文化 カラオケ

越境する日本文化 カラオケ(10)=舞台上ではスターの気分=「今後10年は廃れない」

3月1日(土)  日系社会には娯楽が少ないということが、カラオケブームが続く理由だと、歌謡団体の関係者らはみる。  舞台に立って歌い、観客から拍手を受ける。スターになったような気分を味わえるところに、カラオケ大会の大きな魅力がある。  楽屋や会場では、「あの人はエストラにカテゴリーが上がった」などと、噂話が飛び交い、出場者の競争 ...

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越境する日本文化 カラオケ(9)=人気を呼ぶビデオケ=誕生祝いや結婚式にも

2月28日(金)  ブラジルで人気を呼んでいるのは、ビデオケだ。バール、レストランなどで、ブラジル人が、がなる姿をちょくちょく目にする。誕生日や結婚式といった祝い事にも、ビデオケが用意されることが多い。  非日系で六十代のある女性は、「本当に好き。娘達にも買い与えた。フェスタには親戚や友人を家に呼んで、楽しんでいる」と、話す。 ...

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越境する日本文化 カラオケ(8)=サンパウロ市の愛好会数120余=日文連は「講座」設置を検討

2月27日(木)  カラオケ大会は八〇年代はじめに、ぽつぽつと現れてきた。八〇年代後半に、ABRAC(ブラジル日本歌謡協会)やUPK(サンパウロ・カラオケ連盟)など、歌謡団体が組織されるに連れて、増加。九十年代に入って一気に増えた。  上岡正雄UPK初代会長は、「今や、毎週末に四つ五つ、カラオケ大会が開かれるのは常識になった」と ...

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越境する日本文化 カラオケ(7)=大使や五木ひろしも来た=〝先発〟「どんぐり」10周年で閉店

2月26日(水)  開店パーティーは開かなかった。ただ、「カラオケ知っていますか、近日中開店」と、邦字紙に広告を掲載した。   その効果があったのか、駐在員の間に口コミでかなり評判が広がっていた。三十─四十人収容可能な店内は開店後まもなく、来客でごった返すようになった。地面に座ってでも店に入りたいという客まで出た。  駐伯日本大 ...

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越境する日本文化 カラオケ(6)=カラオケ・スナック〝登場〟=「どんぐり」元駐在員夫人がママ

2月25日(火)  プロフェソール・セバスチョン・ソアレス・デ・フェリア街。セントロとパウリスタを結ぶブリガデイロ・ルイス・アントニオ通りに交わる。人通りは少なく、今は、寂れた感じがする。  交差点近くの雑居ビルの地階に、カラオケスナック第一号店「どんぐり」が七七年十一月、オープンした。  どんぐりの背比べ。上手も下手も無く、カ ...

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越境する日本文化 カラオケ(5)=67年9月に初導入=人気歌手・西郷輝彦の公演で

2月22日(土)  ラジオ・サントアマーロ(当時:奥原康栄社長)創立十周年記念で、歌手、西郷輝彦がシネ・ニテロイでショーを行なった。一九六七年九月のことだ。  コロニア芸能史上最高のショーと称されたこの企画、関係者の目はある一点に集中していた。西郷は各公演中、テープによる伴奏で数曲歌ったのだ。  カラオケは、クラリオンが七五年、 ...

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越境する日本文化 カラオケ(4)=レーザーの映像で知る=日本の風景や風俗

2月21日(金)  レーザーカラオケは、映像が流れる。ロケ地の風景や出演者の髪形や服装。それに、ストーリーも加わる。日本語、日本文化を知るために、カラオケを利用する人もいる。  ソロカバナ線のプレジデンテ・プルデンテ市から自動車で三十分のマルチノポリス市。同市でコンピューターのメンテナンスを営む林健児さん(五〇、二世)の自宅を訪 ...

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越境する日本文化 カラオケ(3)=亡き両親に贈りたかった演歌=開業医、毎日向上めざす

2月20日(木)  「果てしない海の彼方に……」。力強い歌声が戸外に、響く。  鳥羽一郎の「海の祈り」を練習しているのは、二世の辺原敏晴さん(五八)。東京女子医大に留学中、カラオケスナックで演歌を聞き、情緒たっぷりの歌詞が琴線に触れた。以来、二十年余り、「日本の心」を歌ってきた。      □  生まれはバオパライーゾ(SP)市 ...

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越境する日本文化 カラオケ(2)=郷愁がマイクを握らせる=演歌3分間で戻る青春

2月19日(水)  がっしりとした体格でおっとりした性格。泰然自若とした様子から、いつしか〃岩手の殿様〃と、あだ名が付いた。  歌は幼い頃から好きだった。十代の頃、作曲家の高木東六に師事、シャンソンを学んだ。   同氏の作曲生活三十周年記念コンサートでは、淡谷のり子、松島詩子といった錚々たる歌手を前に、五十人のバックコーラスを率 ...

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越境する日本文化 カラオケ(1)=ブラジル〝上陸〟後30年=日系コロニア、冷めぬ熱

2月18日(土)  アイジョージ、伊藤久男、小畑実、鶴田浩二……。往年の人気歌手がずらりとそろう。レーザーディスクでざっと六千曲。トイレ、冷房の完備した部屋で、気のゆくまま好きな曲を歌う。冷蔵庫には、日本酒やつまみが詰まる。機材、ディスク、飲食料品はすべて、日本で買いそろえた。  サンパウロ市ジャルジン・セドロドリバーノ区の「高 ...

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