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2003年

消えなかった日本語教育=戦中、戦後の日系社会混乱の中で(1)=授業初日に当局踏み込む=国井さん=父と兄はアンシェッタ島へ

12月10日(水)  授業初日に警察当局が踏み込んできて日本語学校は閉鎖、教室を提供したという理由で父と兄は身柄を拘束され、その後アンシェッタ島に流された──。  国井精(つとむ)さん(二世、六六)は、一九四六年四月二日夜の出来事が五十七年経った今でも頭から離れない。  働き手を失った一家では、まだ幼い兄弟が母親を支えて、農作業 ...

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「グローボ・レポーター」国外在住ブラジル人特集=世界の〝デカセギ〟事情(4)=奴隷のように働く毎日=珈琲輸出額上回る送金

12月10日(水)  眩いばかりの風景が広がり、千年以上の歴史文化と最先端技術を持ち合わせる国、それが日本――。十二年にわたる不景気が叫ばれつつも、日本は世界第二の経済大国であり、数十万のブラジル人が、生活の糧を得ようと、この国へ行くことを選択している。  一日十四時間  「より充実した人生を送る夢をみて、私たちは日本にやって来 ...

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「グローボ・レポーター」国外在住ブラジル人特集=世界の〝デカセギ〟事情(3)=領事自ら密入国斡旋=続く不法移民の悲劇

12月9日(火)  不法就労していた夫が留置場に収容され、悲嘆に暮れていたブラジル人女性、マリア・ド・カルモ・アモリン。最初の取材から一ヵ月後となる十月、グローボ・レポーター取材班は再び彼女に会った。四人目の子ども、ブレンダが生まれ、父親はブラジルに強制送還されていた。父親はインターネット画面を通して、初めて娘の顔を見た。父親は ...

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東方に生きる~ウルグアイ日系社会事情(5)=最終=日本人会初の女性会長=前堂さん「日本語存続させたい」

12月9日(火)  約五百人規模とみられるウルグアイの日系社会。唯一の日系団体である日本人会を中心に結束し、親睦はもちろん、会員らが助け合う場として機能してきた。ただ、近年ではブラジル同様、出稼ぎによる空洞化や、三世以降の会員減少などの悩みを持つ。そんな日本人会の切り札が、今年八月に就任した日本人会初の女性会長、前堂喜久子ネリー ...

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東方に生きる=ウルグアイ日系社会事情(4)=農牧と林業調和させる=アグロインダストリー国家確立へ

12月6日(土)  緑豊かな平原に恵まれたウルグアイ。日本の面積の約半分に当たる約十八万平方キロメートルの大半が、牧草地だ。この小さな南米の小国で植林を進め、農牧と林業が調和したアグロインダストリー国家を確立しようと奮闘する日本人がいる。二十五年に渡って、ウルグアイで奮闘するオイスカ・ウルグアイ総局国際理事の三上隆仁さん(七八) ...

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「グローボ・レポーター」国外在住ブラジル人特集=世界の〝デカセギ〟事情(2)=ドルが支える町 G・ヴァラダーレス市=6人に1人が外国就労

12月5日(金)  公式発表では、六十万人ともいわれる在米ブラジル人。ミナス・ジェライス州西部に位置するゴヴェルナドール・ヴァラダーレス市は、米国就労先進地として有名だ。一九六〇年代から移住事業を展開、ブラジル労働者を送り込んだ。同市役所によると現在、少なくとも市民六人に一人が外国滞在、国外就労している。  引き裂かれた家族   ...

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東方に生きる~ウルグアイ日系社会事情(3)=町おこしソバ栽培手助け=オイスカの三上さんら

12月5日(金)  それぞれの町で特産品をーー平松守彦元大分県知事が提唱したことで知られる「一村一品運動」。このアイデアを元に、オイスカ・ウルグアイ総局は一九九六年から各県に一つの特産品を育てようと「一県一品運動」に取り組んでいる。  モンテビデオ県の隣に位置するソリアノ県サンタルシア市で、日系人と手を携えながら、ソバの普及に取 ...

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世界の〝デカセギ〟事情=グローボ局が特集番組=問われる国外就労の功罪=「ブラジル人とは何か?」

12月4日(木)  十一月十八日午後十時すぎ、グローボTV局の情報番組「グローボ・レポーター」でデカセギ特集『海外在住のブラジル人たち』が約二時間放映された。世界に二百万人ともいわれるブラジル人国外就労者たち。米国NYで大成功した事例を伝える一方、各国で起きている深刻な就労問題、密入国、引き裂かれる家族の姿などを赤裸々に報道、日 ...

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東方に生きる~ウルグアイ日系社会事情(2)=多国籍で構成される家族=メルコスルのように

12月3日(水)  ブラジル、アルゼンチン、パラグアイそして、ウルグアイから成り立つ南米共同市場メルコスル。その名前は知っていても、事務局がウルグアイの首都モンテビデオ市にあることまでは意外と知られていない。  南米各国から構成されるメルコスル同様、「多国籍」な家族構成を持つのが、ウルグアイ日系社会の特徴の一つだ。パラグアイやブ ...

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近年の日本文学出版ブームに足かせ=日ポ翻訳者が足りない=(下)=大江健三郎全集の計画も=日本文学データベースを

12月3日(水)  国内の文学出版最大手カンパニア・ダス・レトラス社では、「読者の成熟が進み、日本文学への需要が高まっている」として、大江健三郎全集を出版する希望を持っている。すでに谷崎潤一郎の『鍵』、三島の『金色』、大江の二作品など、この四年間で六作品を出版し、今後五作品を上梓する予定だ。  編集アシスタントのセルジオ・テラロ ...

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