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2008年

アマゾンの動物――連載(10)=日本と異なる釣り風景=魚獲りに手製の爆弾?

ニッケイ新聞 2007年10月27日付け  ◇魚の話(3)  〔一本釣り〕これは、どこでも同じことで、仕掛けや餌など魚によって異なることは言うまでもない。ちょっと変っているのは、カノアでイガポー(増水期浸水地の森林)などで釣りをするとき、一メートルほどの紐をつけ、その先に鉛丸を何個か布に包んで縛り付けて、これを振って水を叩き、チ ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(9)=多彩なアマゾンの漁=ウナギ怖がるインジオ

ニッケイ新聞 2007年10月19日付け  ◇魚の話(2)  森の中や川のなかには食糧が充満している。それを手に入れる術を知らないために飢餓に陥る。ピサロが失敗したのは、率いるインジオと現地に住むインジオと言語や生活習慣が異なるために、必要な情報や知識が得られず、獲れるものが獲れなかったことによる。  それで、アマゾンで行われて ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(8)=家畜連れ去る謎の牝牛=〝初〟アマゾン下りはスペイン人

ニッケイ新聞 2007年10月12日付け  ◇野生牛の話(2)  モンテアレグレでもアレンケールでも同様に牛の飼育が盛んである。三、四十年前、一頭の白い牝牛がいた。どこから来るのか判らないが、この牛が現れると、牧場の牛がゾロゾロとそのあとをついて行って行方不明になってしまう。  牧場主たちは、なんとかこれを防ごうとするが、何時の ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(7)=両頭やミミズのような蛇も=インジオは怖がるが無害

ニッケイ新聞 2007年9月26日付け  ◇蛇の話(4)  ほかに変った蛇としては、突っつくと、ぐっと短くなって幅が広くなるのがいる。インジオはサラマンダラというが、サラマンダラなら中米産の有毒トカゲである。猛毒だというが、毒蛇特有の三角頭をしていない。もっとも、インドのキング・コブラもそうらしいが、首のあたりを平べったくすると ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から連載(6)=伝説的大蛇、信じられるか?=残されている〃実在〃証拠写真

ニッケイ新聞 2007年9月19日付け  ◇蛇の話(3)  話のついでだが、私たちが着伯する一年くらい前、アマゾン河のもっと上流にあるタバチンガという所(国境の要衝で要塞があり、軍隊が駐屯している)で、大蛇が水から出て陸に上がってきた。これは、スクリーあるいはスクリジューといって、アマゾン産の大蛇である。要塞の兵士が機関銃で殺し ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(5)=4メートル余りの蛇退治=農刀、下から斬り上げが効果的

ニッケイ新聞 2007年9月12日付け  ◇蛇の話(2)  一九五四年、着伯した翌年、長男が生まれるとき、入植地では何かと不便なので、佐脇氏方でお産することになって、しばらく逗留することになった。  ある朝、トマカフェーをしていると、突然家の裏のほうで放し飼いにしている鶏が悲鳴をあげた。すわッと台所に置いてあるテルサード(農刀、 ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(4)=スルククー(蛇)は〃強壮剤〃=あっさり捕らえ窯で焼き保存

2007年9月5日付け    ◇蛇の話(1)  アマゾンといえば、猛獣毒蛇が跋扈(ばっこ)して、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が横行する暗黒大陸ということになっている。そういう所もたまにはあるが、大抵はまずこれがジャングルかと驚くほど明るい。昼なお暗きなどという所は、蔓性の植物が大繁茂して、木々の上を覆い、陽光を通さないほどびっしり ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から――=連載《第3回》=ジャカレーに舌はあるか?=火事のとき見せる〃母性愛〃

2007年8月29日付け アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(3)=ジャカレーに舌はあるか?=火事のとき見せる〃母性愛〃  ◇鰐の話(3)  小魚が寄って来て、腐った中雛から落ちる蛆を食べる。腐った肉の臭いにひかれて、夜暗くなったらジャカレーがそろそろお出ましになる。中雛は水面上十五センチくらいにしてあるので、小魚で ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(2)=示現流の右上段の構えから=ジャカレーの首の付け根へ…

2007年8月22日付け  ◇鰐の話(2)  今は(鰐皮の)なめしの技術が向上して、ジャカレー・チンガの皮も売れるようになったので、たちまち少なくなってしまった。  私たちが着伯して何ヵ月かして入植した所は、前は水で、湖のようになっていて、乾季に水が退くと真中に一筋の川が残る。魚もよく獲れるが、仕事があるので、漁は仕事がすんでか ...

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アマゾンの動物――在住半世紀余の見聞から=連載(1)=獰猛なジャカレー・アッスー=抱いている卵を騙し取る猿

2007年8月15日付け  パラー州アレンケール在住の坂口成夫さんは、戦後移住者で、アマゾン生活五十三年余になる。本紙にはすでに「探検記」「マラリア」に関する投稿で登場している。今回は、ブラジル以外の他地域にいては、とても想像がつかないと思われる動物について書いている。人々は「鰐」や「蛇」を知っていても、それはその人が過去見聞し ...

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