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2012年

第3回=タグアチンガ=首都建設に参加した日本人=「ブラジルの底力を目の当たりに」

ニッケイ新聞 2012年11月8日付け  祈るために両手を合わせた様子をそのまま外観にしたメトロポリタン教会には、まるで産道のような薄暗い地下道を通った先に、ガラス張りで明るい陽光が差し込むドーム型の礼拝堂がある。これは「人間が暗闇から出発して光に向かっていくことを象徴している」(『ブ50年史』78頁)という。  バスに同行した ...

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第2回=ブラジリア=あちこちにピラミッド?!=表象散りばめた不思議都市

ニッケイ新聞 2012年11月7日付け  ブラジリア空港に到着した故郷巡り一行はバス3台に分乗し、さっそく市内観光へ。チョビ髭のバスガイド、ジョアン・パリトーさんはボソボソと首都建設の歴史を説明し始めた。  「やがて、国家の重要な決断を行なう頭脳に変貌する、この中央高原、この原野より、今一度わが国の未来に眼を注ぎ、その大いなる前 ...

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第1回=参加者各人の移民ドラマ=柴田空軍少将がお出迎え

ニッケイ新聞 2012年11月6日付け  第38回を数える県連故郷巡り一行は9月29日午前9時半、サンパウロ市のコンゴーニャス空港に集合してブラジリアへ向かった。たまたま隣に座った、いつもおしゃれな小原あやさん(91、岩手)=ボツカツ在住=に、さっそく旅の一番の楽しみは何かと問うと、「初めて行くマラニョンね。でもね、砂漠は見たい ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る3=ギマランエス・ローザの「CIPANGO」=ノロエステ鉄道の日系人=中田みちよ=第6回

ニッケイ新聞 2012年11月1日付け  日本人はきたときはみんな貧乏で金持ちになって帰る・・・。出稼ぎ根性はブラジル人たちだって看破していたんだ・・・私も読み終わってバンザーイ、バンザーイ。そういえばバンザーイなど久しく言わないし聞かなくなりました。聞けば違和感がともなうような時代になってしまいました。時間のなせる業。植民地の ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る3=ギマランエス・ローザの「CIPANGO」=ノロエステ鉄道の日系人=中田みちよ=第5回

ニッケイ新聞 2012年10月31日付け  開拓期の日本人はずいぶん蛇を食べましたからね。幸運をもたらすというより精がつくと信じられていたように思います。トカゲやハリねずみなど、山を伐採中に見つけては手当たりしだいに試食したものです。  それは故郷のだれかれに見せる一種のパフォーマンスだったのかもしれません。父はまたそんなことを ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る3=ギマランエス・ローザの「CIPANGO」=ノロエステ鉄道の日系人=中田みちよ=第4回

ニッケイ新聞 2012年10月30日付け  「そこから私たちは「サッカラ」(シャカラ)に向かった。密生した竹やぶがあたりに趣を添えている。そしてサトウキビ畑が緑の迷路を作っている。住宅に近づくと、堆肥がつよく匂った。異常な臭気、様々な物質が醸成するもの。人間の汚物の匂いに似ている」  豚を飼ったことがある私には思い当たる光景です ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る3=ギマランエス・ローザの「CIPANGO」=ノロエステ鉄道の日系人=中田みちよ=第3回

ニッケイ新聞 2012年10月27日付け  「彼らは街からあまり遠くないにカリチ(借り地)をしているのだった。水先案内人としてハチミツ(もしかしたら三橋?)さん宅まで連れてってくれた黒人はこう明かした。『やっこさんたちは、大きなたるに豚のえさを溜めるんだ。わけの分からないもんをみんな混ぜくって、醗酵して、苦いような臭気がして…豚 ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る3=ギマランエス・ローザの「CIPANGO」=ノロエステ鉄道の日系人=中田みちよ=第2回

ニッケイ新聞 2012年10月26日付け  移民の多くはマット・グロッソがどこにあり、どんなところかも知らなかったのですが、まずイツー駅に集合して(農園を逃げ出した第一回移民が多い)二手に分かれました。  ①は鹿児島県人などと合流し、サントス港に集まった組で、鉄道建設会社が雇い入れた貨物船にのり、アルゼンチンのラプラタ河からパラ ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る3=ギマランエス・ローザの「CIPANGO」=ノロエステ鉄道の日系人=中田みちよ=第1回

ニッケイ新聞 2012年10月25日付け  死後出版された『Ave, Palavra(言葉のモザイク)』(2001年、フロンテイラ出版社、第5版)というジョアン・ギマランエス・ローザ(1908—1967)の短編集を手にしたとき、まさかと思いました。  これは1947年から1967年にかけて新聞・雑誌に発表された60の随筆を編んだ ...

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ブラジル文学に登場する日系人像を探る2=ゼリア・ガタイの優しい視線=『Casa do Rio Vermelho』の「ぶらじる丸」=中田みちよ=第3回

ニッケイ新聞 2012年10月9日付け  ただひとつ引っかかることがあります。前述したように私は「ぶらじる丸」を検索したのですが、戦前には「ぶらじる丸」が存在しないのです。ですから、戦前には「ぶらじる丸」が航海するのは不可能。考えあぐねるうちにこの作品は創作であることに気づきました。日本移民というフィールドバックはありますが、あ ...

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