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第2の子供移民~その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で

 あと2年で、デカセギ開始年といわれる1985年から30年が経とうとしている。金融危機以来の4年で約10万人のデカセギが帰伯した。戦後移民5万人の2倍に匹敵するこの〃民族大移動〃は「第2の戦後移民」ともいえる出来事だ。しかも、この30年間に日本で育ち人格形成した世代は2、3割以上を占めるともいわれ、年々その割合を増しており、「第2の子供移民」ともいえる層を形成している。彼らは訪日就労ブームの申し子のような世代だ。「デカセギは是か否か」――20数年前に邦字紙を騒がせたそのような問いかけの結果が、いま当地に次々と舞い戻っている。どこに居場所を作り、何をして生活していくのか。帰国数年の率直な声を11回にわたり連載する。(酒井大二郎記者)

第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=最終回・第11回=血統より技能が〃結論〃=デカセギ28年の結果を是に

ニッケイ新聞 2013年1月24日付け  日本で数少ない日系人大学教授、武蔵大学のアンジェロ・イシさん(45、三世)が、帰伯デカセギの成功パターンとして挙げるのはコンクルソ・プブリコ(公務員採用試験)だ。  連邦、州、市それぞれに福利厚生も厚い。「うまく行っている実例をすでに何人か知っている。立派なデカセギ生活からの脱却例だ。一 ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第10回=同じ辛さを共有する仲間=ネット上で8百人が集い

ニッケイ新聞 2013年1月23日付け  「自分と同じような境遇で悩んでいる人たちが、ここで交流して仲良くなれれば、なんて思って軽い気持ちで作った」と古川ゆみさん(18、三世)は話す。その時は、特に深い意味や考えはなかった。  12年1月の立ち上げから徐々に登録者数が増え始め、現在は日本に滞在経験のある日系人はもとより、日本語を ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第9回=見た目はフツーの女の子=日本恋しさで空手道場に

ニッケイ新聞 2013年1月22日付け  「日本に帰れるなら、すぐにでも帰りたい」。そう寂しげに漏らすのは日本生まれの古川ゆみさん(18、三世)だ。  両親共にデカセギとして結婚し、日本で家庭を築いた。生まれ育った栃木県真岡市はデカセギ外国人が多い工場地帯であり、「学校には他にも日系の生徒はいて、自分が特別だなんて感じたことはな ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第8回=馴染めない〃祖国〃ブラジル=「時経つほど日本恋しい」

ニッケイ新聞 2013年1月19日付け  「幸良と申します。今日はよろしくお願いします」。淀みのない日本語で挨拶をするのは幸良プリシラ香さん(23、三世)だ。10歳の時、家族とともに愛知県豊橋市に移住した。伯人ばかりの工場環境で働いていた両親は、日本語をほとんど話せない。  家庭の中の会話は「全てポ語が約束だった。日本語はオハヨ ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第7回=「単調な工場労働イヤ」=家族残し、自分の意志で帰伯

ニッケイ新聞 2013年1月18日付け  「日本での生活が嫌になっちゃったんですよね」。帰伯して1年が経つ的野アドレルさん(22、三世)は、今までの例とは異なり、自分の意思でブラジルに戻ってきた。  2歳で広島に移住して以来、約20年間を県内で過ごした。母は幼い頃にブラジルに渡った準二世で、広島県警で通訳を務めるほど日本語が堪能 ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第6回=非日系の母に日本語強要=不法滞在迫り〃帰国〃

ニッケイ新聞 2013年1月17日付け  わずか8カ月で親に連れられて訪日した田中アルベルトさん(21、仮名)には、〃祖国〃ブラジルの記憶はない。  訪日当初、非日系の母は日本語を満足に話すことが出来なかった。田中さんが物心ついた時にはすでに父は別離した後だった。母親は三重県鈴鹿市などで、女手ひとつで田中さんを育てた。つまり、田 ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第5回=妊娠、帰伯、離縁、解雇…=四世に対する厳しい壁

ニッケイ新聞 2013年1月16日付け  三宅ミドリさん(22、四世)は週末のほとんどをストレス発散のために、ブラジル人の友人と愛知県豊橋市内のゲームセンターやカラオケに繰り出した。変わり映えのない日々に〃変化〃が生じたのは、学校を辞めて約1年半が経った頃、妊娠が発覚した時だった。  相手は付き合い始めて間もない8歳年上のブラジ ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第4回=「何とかなる」と高校中退=工場労働で後悔の日々も

ニッケイ新聞 2013年1月15日付け  三宅ミドリさん(22、四世)は1996年、6歳の時に訪日し、先にデカセギに行っていた両親と合流した。家庭内もポ語会話が基本で、日本語を覚えるのには苦労したという。  通学した愛知県豊橋市の公立小学校にはブラジル人の職員がおり、国語の科目の時間のみ日本語が得意でない外国人の生徒を対象に特別 ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=教育矛盾の狭間で生きる=第3回=ブラジル人に距離感じる=「日本人的な方が合う」

ニッケイ新聞 2013年1月12日付け  「純粋なブラジル人には、少し距離を感じます。もしかしたら私が『ちょっと違うな』って思ってしまっているのかも」。そう話すのは、3歳から12年間日本に滞在した平良エミコさん(20、三世)だ。  5年生までを愛知県豊橋市の公立小学校で過ごした。「気付いたら日本語を話していたし、勉強はそこそこ出 ...

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第2の子供移民〜その夢と現実=日伯教育矛盾の狭間で=第2回=ITビジネスで成功?!=「絶対ビッグになる」

ニッケイ新聞 2013年1月11日付け  吉永クラウジオさん(21、三世)が小学6年生の時、一人で不良グループとケンカしている最中に、突然現れた大人が頼みもしない助っ人役となり、勝手に相手の集団を叩きのめしたという。その大人はテコンドー師範だと名乗り、「俺のケンカをとられた。こいつに勝つまでは絶対に辞めないと決心し、その場で弟子 ...

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