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2013年

第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(5)

ニッケイ新聞 2013年5月18日  山下は同級生と一緒に写っている当時の写真を見せてくれた。見ると、皆、背筋を伸ばし、キリッとした表情をしている。筆者の記憶の中にある敗戦後の日本の同年輩の子供に比較すると、数段上という感じだ。その印象を口にすると、 「そりゃー、あの頃は、日本軍が大陸で勝った勝ったで、勢いが良かったですからネー ...

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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(4)

ニッケイ新聞 2013年5月17日  一方で、日本学校にもブラジル学校にも行けぬ子供もいた。そうした場合、親や家族が、日本語の読み書きを教えるのが普通であった。(中には、子供の出生を届け出ず、日本語も教えぬ親もいた。が、これは例外ケースであった)  日本学校には、1927(昭2)年頃から、サンパウロ日本総領事館が梃入(てこい)れ ...

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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(3)

ニッケイ新聞 2013年5月16日  熱風は、東京から送信されるニュースを掲載する邦字新聞によって──奥地も含めて──邦人社会の隅々に伝えられた。  本や雑誌も、日本から大量に輸入された。その中には子供向けのものもあった。軍国調華やかな記事や挿絵が満載されていた。  1937、8年には、日本放送協会の南米向け短波放送が始まった。 ...

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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(2)

ニッケイ新聞 2013年5月15日  それ以前、明治維新以来、為政者たちは新日本の建設を目指し、国家機構の構築と国民意識の涵養に力を注いでいた。そのため為された諸改革の内、ここで特に注目したいのが、1885(明18)年の内閣制度創設の折、初代文相となった森有礼が敷いた国家主義的な教育制度、その4年後に公布された天皇を神格化して国 ...

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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(1)=ナショナリズムの熱風

ニッケイ新聞 2013年5月14日  著書『ブラジル日系社会 百年の水流』(改訂版も)で有名な外山脩氏がこの文章を書いた経緯は、本紙6面に2月26日から4回にわたって連載された「移民百年史出版プロジェクト 唖然、無責任極まる執行部」に書かれた通り。今回はそれを掲載することで、『百年史』に値する内容かどうか、実際に読者に評価を委ね ...

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ブラジルに於ける茸栽培の沿革と一考察=野澤弘司=(15)

ニッケイ新聞 2013年5月9日 《衰退期》  2006年2月13日、日本の厚生労働省は、キリンウエルフーズ社のアガリクス製品に、発癌を促進させる作用を認めたと公表した。その日まで日本癌学会が認めたアガリクスの制癌剤としての薬効を確信し、命綱として毎日服用して来た多くの癌患者や生活習慣病患者、そしてアガリクスの生産と流通の関連事 ...

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ブラジルに於ける茸栽培の沿革と一考察=野澤弘司=(14)

ニッケイ新聞 2013年5月8日 《栽培工程》 *仕込=菌床材料と添加肥料は、ほぼマッシュルームに順じ、加水しながら仕込む。 *切り返し=堆肥の芯温が80℃に達するや、4日毎に7回行い繊維を軟化させる。 *滅菌=燻蒸1・5日間、60℃ *放冷及び脱アンモニア臭=12日間、25℃に通風冷却後、菌床の10kg袋詰め。 *植菌=約15 ...

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ブラジルに於ける茸栽培の沿革と一考察=野澤弘司=(13)

ニッケイ新聞 2013年5月7日 《揺籃期》  古本の初期のアガリクス試験栽培は、マッシュルーム同様、カッピンゴルヅーラ (シボウソウMelinis minutiflora Beauv)と称する牧草と稲藁主体のコンポストで、屋内棚式菌床と、環境温度の激変と虫害や野ネズミ等の天敵を回避する目的で、透明なビニールの三角錐の帽子で畝状 ...

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ブラジルに於ける茸栽培の沿革と一考察=野澤弘司=(12)

ニッケイ新聞 2013年5月4日 《キノコの商品名と特許》  アガリクスの生い立ちにまつわるかかる事情を知らなかった古本は,このキノコがピエダーデで最初に見付られたので“ピエダーデ”と呼称し、日本でのアガリクスの研究機関であった三重大学や岩出研究所では“カワリハラタケ”と当初は称していた。  然し斯様なブラジル生まれの日本育ちの ...

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ブラジルに於ける茸栽培の沿革と一考察=野澤弘司=(11)

ニッケイ新聞 2013年5月3日 【2】アガリクス茸栽培 Agarius blazei murrill  アガリクスは1990年代から2006年初頭迄の約15年間に渡って、癌を始め生活習慣病関連の疾病に対する、稀代の薬効を有するサプリメントとして、日本では年商600億円とも評価された、ブラジル生まれで日本育ちのキノコが、名実共に ...

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